うなとり弁当的オキナワLOVE
南国らしい青い海や美しい空、沖縄の魅力は尽きません。自分はうなとり弁当にも強く心惹かれます。沖縄的に盛りのいいお弁当が、四百円とか五百円の値札をつけずらりと並んだ様は壮観です。
たしか百円そばというのもあって、店で出汁を入れてラップして持ち帰れたような。味噌汁的に、弁当のお供に買うようでした。ああ沖縄に行きたくなってきました!
「おお!」から「ほぅ」へ
都心をクルマで走っているとトヨタ MIRAI(ミライ)やホンダ CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)といった燃料電池車とすれ違うことがあります。霞が関周辺や、青山通りでよく会いますね。昨年のリリース直後は「おお!」と思いましたが、今は「ほぅ」程度に慣れてしまいました。
写真は14年ほど前に、フランス、リヴィエラ海岸のリゾート、フレジュス (Fréjus)の旧飛行場で公開された、GMの燃料電池車ハイ・ワイヤー(Hy-Wire)です。その際、GM研究開発・企画担当副社長、ラリー・バーンズ(Larry D. Burns)氏は「2010年から'20年が燃料電池車の普及期になるでしょう」と予言。……まずまず的中したようです。ハイ・ワイヤーは、1/1ラジコンカーの中からプロポ(無線コントローラー)で操縦するような〝未来のクルマ〟でした。余談ですがこのボディ、ベルトーネ(Carrozzeria Bertone)仕立てだそうです。当時シトロエンZXに乗っていたので、それがちょっとうれしかったこと、この写真を見ていて思い出しました
セビルの思い出
旅の伴侶としてもキャデラック セビル(Cadillac Seville)は素晴らしいクルマでした。東京を早朝出発し、午後浅い時間に明石海峡大橋へ。ウェスティンホテル淡路に着いてクルマを降りても、なんら疲れていません。自分と相性が良かった、つまり好みだった、というのも大きいかもしれませんが、深く印象に残った一台でした。快適な空調のキャビンで、ゆったりとしたシートに身を任せつつ、残暑厳しい阪神高速のカオスの中を悠々自適。ステアリングを握りつつ「ああ、いいクルマだ」と何度も脳内ツィッターにツィートしました。
余談ですが、このカットを撮った直後、ホテルの手前ドアから安藤忠雄さんが出てきて驚きました。ウェスティンホテル淡路が含まれる淡路島夢舞台の設計者でもあり、視察だった模様。建築家は集団の先頭で物凄い勢いで歩き、その後に取り巻きの方々がドドドッと続いたので、あたかも競歩集団のようでした。サッカー日韓W杯開催で、イングランド代表主将のデービッド・ベッカム(David Beckham)が泊まり、ウェスティンホテル淡路が話題となるのは、この後のこと。キャデラック セビルは2004年にキャデラック STSに代替わりしました。今でもたまにセビルを見かけると、オーナーをちょっとうらやましく思います
波打ち際映画祭
鎌倉の材木座海岸を散歩していたら、二羽の海鳥が波打ち際で肩寄せ合っていました。波打ち際では様々なドラマが生まれます。波打ち際三大映画が『地上より永遠に』(1953 米 From Here to Eternity)、『いそしぎ』(1965 米 The Sandpiper)、『プライベート・ライアン』(1998 米 Saving Private Ryan)であることは異論のないところかと存じます。仮に自分が波打ち際映画祭を主催するとしたら、『猿の惑星』(1968 米 PLANET OF THE APES)、『愛と追憶の日々』(1983 米 Terms of Endearment)、『テン』(1979 米 10)を上映しますね。
そうか『テン』が公開されたとき、自分は18歳だったのか。自分、実は『テン』観ていません。間違えて同年公開の『テス』(1979 仏英 Tess)を観に行ってしまい、上映中、間違ったことに気づき地団駄踏みました。まあ、ナスターシャ・キンスキー(Nastassja Kinski)が好きだったので、多少救われましたが
横浜駅 22時24分
東急東横線から乗り換え、横浜駅で下りの横須賀線を待っていたら、東海道線下りホームにサンライズ瀬戸・出雲がやってきました。寝台電車ですね。思わずiPhoneで、流し撮り! カメラモードにするのに手間取っていたら電車が動き始め、条件反射的に右手が車速を追っていました。我がことながら撮り鉄だった過去が偲ばれます。
自分が初めて乗った寝台列車が「特急 出雲」だったので、ちょっと懐かしい。まだサンライズには乗ったことが無いので、いつかは、と横須賀線ホームから見送りました。もし入線してきたのが、EF58に引かれた客車編成の「急行 桜島・高千穂」だったら、飛び乗っていたと思います。きっとメーテルが待っているから(笑)
進撃の富士山
鎌倉で国道134号線に出て江ノ島方面に向かっていたら、稲村ヶ崎を越えたところで富士山とばったり出会いました。冬晴れの朝の富士山は巨大です。印象としてはズイっとこちらに歩み寄り、ドカっとあぐらをかいている感じ。具体的には箱根より手前、国府津あたりに居そうな大きさです。海外取材が続いた後、不意にここで富士山と再会したりすると、何かが溢れそうなほどに感無量になったりします。夏のぼーっとした富士山では、そうはならないから不思議です。
以前〝別荘地 鎌倉〟をテーマとした取材で、地元の不動産会社に何件か別荘物件を案内してもらった時のこと。稲村ヶ崎の海見え物件を案内願った際、初老女性の担当者が「えーと、古戦場のサイトウさん(仮名)のとこね」と言っていました。たぶん新田義貞の鎌倉攻め由来の「古戦場」だと思うのですが、そのひと言で鎌倉も古いなぁと実感。調べたら684年前の戦場です。新田義貞も振り返って、この富士山を見たのでしょうか
デブと荒野
米国取材に出かけると自分は太ります。決定的にクルマでの移動時間が長くなり、車中で長時間過ごすストレスで胃は活性化。取材中は外食ばかりで、ハイウエイ沿いのダイナーのメニューにも問題多数。運動といえば、ステアリングを回すか、ウインカーレバーを倒すくらい。間違いなく太ります。なので、空き時間にせめて歩こうとスニーカーを持参。時差ボケで目が覚めた夜明けにモーテルを出て、さてどこを歩こうかと左右を見渡し、その寂寥(せきりょう)に足が停まってしまいました。こんな時間に歩いていて問題ないエリアなのか、まったくわかりません。
かくして部屋に戻って、まずコーヒーを。腹が減ったので、駐車場を横切りフロント棟のドアを開ければ、昨晩受けた説明通り、カウンター前にドーナツが並んでいます。ああ、こりゃもう太るな、とわかっているのに! ……デブ スパイラルな無限ループの渦中、朝からもがく気力も無くしています
おお、グロリア!
自分は出先で古いバイクやクルマを見かけると、大層得をした気分になります。写真は、プリンス グロリア(Prince Gloria)。これが綺麗で、さりとてレストアされた風でもありません。まるで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクが乗っていた、デロリアン(De Lorean)DMC-12のように、1960年代から時空を超えてきて、いま停められたかのようです。これは眼福でした。それにしてもショルダーをグルリと一周したラインがクールです。このテールランプは子どもの頃、超スキだった。
記憶の中の叔父さんに、記憶の中にあるままの姿でバッタリ再会したかのような気になりました。リアサイドには Gloria Deluxe 6、トランクリッド後方右端にはPrince 6のエンブレムが。ちょっと風合いを帯びた筆記体、ゴールドのエンブレムも凜々しく、超絶ステキ。実に得した、なぁ
ようこそ《こけし》
イサム・ノグチの《こけし》です。神奈川県立近代美術館 葉山に昨年やってきました。1951年生まれで、52年に神奈川県立近代美術館 鎌倉で開催された個展で発表され、その後同館の中庭に常設展示されていたものです。2015年に神奈川県立近代美術館 鎌倉が閉館となったので、葉山にやって来ました。あたかも開館時からそこにあったかのように、素晴らしく馴染んでいます。
それを記念して「イサム・ノグチ《こけし》葉山へようこそ!」というリーフレットがつくられました。それが、実像に負けづ劣らずキュート! 近美葉山にいらしたら、ぜひそちらもご覧ください
空港駐車場にて
旅が終わり、いよいよ空港でレンタカーを返却。返却ブースを目指し、空港駐車場の中を走ると、帰国前でやや感傷的になっているからか、停めてあるクルマ、一台一台の佇まいが目に沁みます。写真はサンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)で見かけたピックアップトラック。1973年から'87年まで15年に渡って生産された三代目のシボレー(Chevrolet) C/Kですね。生産終了から30年となる今でも、よく見かける人気モデルです。けっこうピカピカなのに、手間をかけレストアしただろうに、空港駐車場にポンととめてあるのが粋だなぁ。
空港駐車場の並びは、あたかもクルマの持ち主それぞれの人生の断片が留め置かれかのよう。眺めて楽しいのは断然、アメリカとイタリアですね。それとは対照的に自分は、日本の空港駐車場では(それが地方空港であろうとも)息苦しさを覚えることが、多々あります
とうとう自立を切り出され
米ラスベガスで1月5日に開幕したコンシューマ・エレクトロニクス分野における世界最大の見本市、CES2017においてHONDAは、ライダーがいなくても自立する2輪実験車、Honda Riding Assistを世界初公開しました。ASIMOに代表されるヒューマノイドロボット研究で培ったHonda独自のバランス制御技術を二輪車に応用。ライダーが乗っていても、乗っていなくても自立することができ、ライダーが少しバランスを崩しても、バイク自体がバランスを保つことで、低速走行時や停止時のふらつき、取り回しの際の転倒リスクを軽減。その一方で、通常の走行時には、既存の二輪車と同等の操縦性を実現。ツーリングやバイクのある日常をより楽しいものにする提案、なのだそうです。ファンクションとしては、頷けます。YAMAHAが前二輪、後ろ一輪のLMW:Leaning Multi Wheel(リーニング・マルチ・ホイール)モデル、トリシティで具現した「ころばないバイク」に、さらに迫ったようです。
長距離ツーリングの出先で、エンジンを切りサイドスタンドを出し、バイクを停めて降りたその瞬間の静寂。その静寂の中で、コイツ(←もちろん愛機)ととうとうここまでやってきたなあと、タンクを撫でる、みたいな感じにはたぶんならないのだろうなあ、なにしろ降りても自立してるんだものなあ、と。そこらへんが自分としては気がかりです