あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

1300ccの白バイ

右側に一本だけのマフラーとテールランプの形状からするとこの白バイ、HONDA CB1300Pですね。HONDA VFR800Pが排ガス規制強化で生産中止となったので、今や白バイといえばCB1300Pです。それにしてもVFRが搭載していたホンダのV4エンジンは名機でした。自分が初めて乗ったのは1980年代のこと。VFR750F(RC24)でしたが、独特のトルク感、鼓動感があり、大層速かった。でもなぜかあまり人気が無かったなぁ。

 それにしてもクルマはダウンサイジング エンジン全盛なのに、白バイが1300ccとはねぇ……。そのうち、白バイも〝125ccターボ〟とかになるかも。あ、それだと自動車専用道とかに入れない! 二輪を排気量で区分、差別する制度は、もうそろそろ見直す時期にあるようです

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とんでもねえ、

雨のパリ=シャルル・ド・ゴール空港(Aeroport de Paris-Charles-de-Gaulle)を離陸してすぐに眠りこみ、目が覚めたらアルプス上空でした。ニース(Nice)に向かう機上です。
 ぼーっとしたまま、夕日を浴びた峰々を眺めていたら、これはもうかなり神の視点に近いのでは? と思えてきます。蓮池越しにカンダタ(犍陀多)を見た釈迦(そう、蜘蛛の糸ですね)の眺めに近い? と。「とんでもねえ、あたしゃ神様だよ」とつぶやいてみました。志村けんドリフターズ時代の決めぜりふでしたね

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ロブスターロールの憂鬱

東海岸、ボストン(Boston,Commonwealth of Massachusetts)の名物にロブスターロール(lobster rolls)があります。ロブスターの切り身を、バンズ(buns)に挟んだ、というよりむしろ山のように盛ったローカルフード。店によってレシピは違い、シンプルにロブスターとソースのみもあれば、ロブスターの身を細かく刻んだセロリやピクルスとともにソースに絡めたものまで様々。シンプル派のバンズはホットドッグ用が多く、野菜入り派はバンズにも凝る傾向があるようです。たこ焼きにおける「具はタコのみ派」と「具も薬味も増し増し派」の違いにも似ています。

 写真はボストン ハーバー ホテル(Boston Harbor Hotel)でいただいたロブスターロール。バンズはクロワッサン風、具の盛りもお上品で、ロブスターを豪快に頬張る感はありません。これはこれで美味ではありますが……。たとえるなら、ザ・リッツ・カールトン 大阪のラ・ベ(La Baie)でたこ焼きをオーダーしてしまった感じ? と反省しました。まあラ・ベのメニューにたこ焼きはないだろうけど

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秋田にてケトルに目礼

秋田県の温泉宿でゆったりとした一夜を過ごし、朝は露天風呂で御来光。午前七時には早くも朝ご飯を食べ終えさて、もうひとっ風呂。ああもう一晩泊まりたいものだなぁと後ろ髪引かれつつ、出発の時間。部屋を出る際、忘れ物がないか見渡していて、電気ケトルが「Delonghi」であることに気づきました。ああこれはイタリアンカラーのマゼンダ(magenta)だったのか! 漆の茶器入れ、丸盆と見事な色揃えで「ああ、東北っぽい色。」と勝手に思い込んでいました。
 この赤紫、ポルシェ(PORSCHE)の純正色にもあります。ルビーストーンレッド(ruby stone red)です。そうえいば、イタリアンメイドのスーパーカーランボルギーニ カウンタック(Countach Lamborghini)のボディカラーにもあった気が。'80s香る色ですね。保護色的に馴染んでいたので、まったく気づきませんでした。セレクトした方の慧眼にちょっと感動。ヤラレましたと、ケトルに目礼し部屋を後にしました

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うなとり弁当的オキナワLOVE

南国らしい青い海や美しい空、沖縄の魅力は尽きません。自分はうなとり弁当にも強く心惹かれます。沖縄的に盛りのいいお弁当が、四百円とか五百円の値札をつけずらりと並んだ様は壮観です。
 たしか百円そばというのもあって、店で出汁を入れてラップして持ち帰れたような。味噌汁的に、弁当のお供に買うようでした。ああ沖縄に行きたくなってきました!

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「おお!」から「ほぅ」へ

都心をクルマで走っているとトヨタ MIRAI(ミライ)やホンダ CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)といった燃料電池車とすれ違うことがあります。霞が関周辺や、青山通りでよく会いますね。昨年のリリース直後は「おお!」と思いましたが、今は「ほぅ」程度に慣れてしまいました。
 写真は14年ほど前に、フランス、リヴィエラ海岸のリゾート、フレジュス (Fréjus)の旧飛行場で公開された、GM燃料電池車ハイ・ワイヤー(Hy-Wire)です。その際、GM研究開発・企画担当副社長、ラリー・バーンズ(Larry D. Burns)氏は「2010年から'20年が燃料電池車の普及期になるでしょう」と予言。……まずまず的中したようです。ハイ・ワイヤーは、1/1ラジコンカーの中からプロポ(無線コントローラー)で操縦するような〝未来のクルマ〟でした。余談ですがこのボディ、ベルトーネCarrozzeria Bertone)仕立てだそうです。当時シトロエンZXに乗っていたので、それがちょっとうれしかったこと、この写真を見ていて思い出しました

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セビルの思い出

旅の伴侶としてもキャデラック セビル(Cadillac Seville)は素晴らしいクルマでした。東京を早朝出発し、午後浅い時間に明石海峡大橋へ。ウェスティンホテル淡路に着いてクルマを降りても、なんら疲れていません。自分と相性が良かった、つまり好みだった、というのも大きいかもしれませんが、深く印象に残った一台でした。快適な空調のキャビンで、ゆったりとしたシートに身を任せつつ、残暑厳しい阪神高速のカオスの中を悠々自適。ステアリングを握りつつ「ああ、いいクルマだ」と何度も脳内ツィッターにツィートしました。

 余談ですが、このカットを撮った直後、ホテルの手前ドアから安藤忠雄さんが出てきて驚きました。ウェスティンホテル淡路が含まれる淡路島夢舞台の設計者でもあり、視察だった模様。建築家は集団の先頭で物凄い勢いで歩き、その後に取り巻きの方々がドドドッと続いたので、あたかも競歩集団のようでした。サッカー日韓W杯開催で、イングランド代表主将のデービッド・ベッカム(David Beckham)が泊まり、ウェスティンホテル淡路が話題となるのは、この後のこと。キャデラック セビルは2004年にキャデラック STSに代替わりしました。今でもたまにセビルを見かけると、オーナーをちょっとうらやましく思います

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開眼、至福の朝ご飯

部屋や温泉は太平洋、玄関は国道に面した、北海道のある民宿の朝ご飯。ビニール製テーブルクロス張りの座卓に、無造作に置かれた皿の上、北海道の至福が盛られていました。どれも見た目以上に美味で、泣かされます。アルミホイールに入ったのは小ぶりの原木シイタケで、当然の如くバター焼き。切り口もワイルドな小皿のタラコは、思わす開眼の滋味。
 これを部屋で、晴れた太平洋を眺めながらいただけるのですから、たまりません。あ、シイタケの左上に、宿の名入り箸袋がちょっとだけ写っていますね!

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このわたし

鎌倉を散歩中、材木座の光明寺へ。すると本堂の柱にお言葉が。最初、このたわし、と読み、何かを磨き上げる決意? と誤解。深く恥じ入りまして、返句したいと思います。
 梅が咲き参拝するのはこのわたし

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波打ち際映画祭

鎌倉の材木座海岸を散歩していたら、二羽の海鳥が波打ち際で肩寄せ合っていました。波打ち際では様々なドラマが生まれます。波打ち際三大映画が『地上より永遠に』(1953 米 From Here to Eternity)、『いそしぎ』(1965 米 The Sandpiper)、『プライベート・ライアン』(1998 米 Saving Private Ryan)であることは異論のないところかと存じます。仮に自分が波打ち際映画祭を主催するとしたら、『猿の惑星』(1968 米 PLANET OF THE APES)、『愛と追憶の日々』(1983 米 Terms of Endearment)、『テン』(1979 米 10)を上映しますね。
 そうか『テン』が公開されたとき、自分は18歳だったのか。自分、実は『テン』観ていません。間違えて同年公開の『テス』(1979 仏英 Tess)を観に行ってしまい、上映中、間違ったことに気づき地団駄踏みました。まあ、ナスターシャ・キンスキー(Nastassja Kinski)が好きだったので、多少救われましたが

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横浜駅 22時24分

東急東横線から乗り換え、横浜駅で下りの横須賀線を待っていたら、東海道線下りホームにサンライズ瀬戸・出雲がやってきました。寝台電車ですね。思わずiPhoneで、流し撮り! カメラモードにするのに手間取っていたら電車が動き始め、条件反射的に右手が車速を追っていました。我がことながら撮り鉄だった過去が偲ばれます。
 自分が初めて乗った寝台列車が「特急 出雲」だったので、ちょっと懐かしい。まだサンライズには乗ったことが無いので、いつかは、と横須賀線ホームから見送りました。もし入線してきたのが、EF58に引かれた客車編成の「急行 桜島・高千穂」だったら、飛び乗っていたと思います。きっとメーテルが待っているから(笑)

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進撃の富士山

鎌倉で国道134号線に出て江ノ島方面に向かっていたら、稲村ヶ崎を越えたところで富士山とばったり出会いました。冬晴れの朝の富士山は巨大です。印象としてはズイっとこちらに歩み寄り、ドカっとあぐらをかいている感じ。具体的には箱根より手前、国府津あたりに居そうな大きさです。海外取材が続いた後、不意にここで富士山と再会したりすると、何かが溢れそうなほどに感無量になったりします。夏のぼーっとした富士山では、そうはならないから不思議です。
 以前〝別荘地 鎌倉〟をテーマとした取材で、地元の不動産会社に何件か別荘物件を案内してもらった時のこと。稲村ヶ崎の海見え物件を案内願った際、初老女性の担当者が「えーと、古戦場のサイトウさん(仮名)のとこね」と言っていました。たぶん新田義貞の鎌倉攻め由来の「古戦場」だと思うのですが、そのひと言で鎌倉も古いなぁと実感。調べたら684年前の戦場です。新田義貞も振り返って、この富士山を見たのでしょうか

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デブと荒野

米国取材に出かけると自分は太ります。決定的にクルマでの移動時間が長くなり、車中で長時間過ごすストレスで胃は活性化。取材中は外食ばかりで、ハイウエイ沿いのダイナーのメニューにも問題多数。運動といえば、ステアリングを回すか、ウインカーレバーを倒すくらい。間違いなく太ります。なので、空き時間にせめて歩こうとスニーカーを持参。時差ボケで目が覚めた夜明けにモーテルを出て、さてどこを歩こうかと左右を見渡し、その寂寥(せきりょう)に足が停まってしまいました。こんな時間に歩いていて問題ないエリアなのか、まったくわかりません。
 かくして部屋に戻って、まずコーヒーを。腹が減ったので、駐車場を横切りフロント棟のドアを開ければ、昨晩受けた説明通り、カウンター前にドーナツが並んでいます。ああ、こりゃもう太るな、とわかっているのに! ……デブ スパイラルな無限ループの渦中、朝からもがく気力も無くしています

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見ながらいただく鴨料理

モントルー・ジャズ・フェスティバル(Montreux Jazz Festival)で有名な、スイス、レマン湖(Lac Léman)畔のモントルーで、良質な鴨料理で名を馳せているオーベルジュの取材へ。最初のテーブルは、池のある庭にあり、食前酒を飲みながらそこらを徘徊する鴨を眺めるという趣向でした。これは自分にはちょっと試練でした。鴨を見ながら鴨を食べる……。
 でもこれが魚だったら、違和感ありません。佐賀の呼子では生け簀のイカを見ながら、ごく自然にイカを食べましたし。なぜ魚はよくて、鳥は駄目なの? と自問しても答えられませんでした。修行が足りません。まだまだです

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おお、グロリア!

自分は出先で古いバイクやクルマを見かけると、大層得をした気分になります。写真は、プリンス グロリア(Prince Gloria)。これが綺麗で、さりとてレストアされた風でもありません。まるで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクが乗っていた、デロリアン(De Lorean)DMC-12のように、1960年代から時空を超えてきて、いま停められたかのようです。これは眼福でした。それにしてもショルダーをグルリと一周したラインがクールです。このテールランプは子どもの頃、超スキだった。
 記憶の中の叔父さんに、記憶の中にあるままの姿でバッタリ再会したかのような気になりました。リアサイドには Gloria Deluxe 6、トランクリッド後方右端にはPrince 6のエンブレムが。ちょっと風合いを帯びた筆記体、ゴールドのエンブレムも凜々しく、超絶ステキ。実に得した、なぁ

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