あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

恋は水玉

茨城県袋田の滝入口にある土産物屋、滝本屋本店のテーブルです。今はもうなかなか見なくなった(都心部では絶滅危惧種)瑠璃水玉の茶碗です。ピカピカです。プラスチックのざるに無造作に重ねられているのがいいですね。傍らのピッチャーとペアで、ご自由にどうぞ的演出に余念がありません。危惧種を大切に……的あざとさは皆無で、あるのはバリバリの現役感のみ。ふと「恋は水玉」というフレーズが浮かびました。そんなタイトルの歌謡曲、あったような、無かったような。
 滝本屋本店は、滝見橋の手前の小さなロータリーに面していて、店内一角が食堂というつくりもキュートです。残念ながら閉店間際に入ったので注文できませんでしたが、山菜ざるそばとか、ちょっと美味しそうでした

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それゆけリア充・立石!

 

京成立石駅に着いたのはお昼過ぎ。約束の時間まで間があったので、食事のできる惣菜屋にしてのんべえにも愛されている倉井ストアーに行きました。13時前でしたが、草野球ユニホーム軍団も、夫婦らしき方も、おじさん三人連れも、その他のテーブルも、ことごとく皆さん、お召し上がり中です。草野球軍団は既に一試合終えた後、缶酎ハイを開けつつ、口(くち)野球の熱戦真っ最中。ダブルヘッター、ですね。「そりゃあ、ナガシマだったらよォ……」と懐かしいフレーズも飛び交います。600円のメンチカツ定食をオーダーしました。所用があるので、お酒をのめず申し訳ないかんじです。見るともなし壁のお品書きを眺めていたら「店内での携帯電話、パソコンの使用はご遠慮ください」の但し書き。スマホは? と心中ツッコミつつ、ハタと気がつきました。そういえばさっきから、スマホを持っている人を見てない! 立石駅到着前、押上駅で乗り換えたあたりから、見てない気がします。その後も、定食を食べ終え所要を済ませ立石駅に戻る間に、通りでスマホをいじっている人はいませんでした。リア充・立石ですね。一度怪しい動きのおじいさんがいましたが、よく見れば掌の小銭を数えていただけでした。歩きスマホはいませんが、歩きタバコはけっこう多い。歩きタバコと歩きスマホ、どっちが不健康か、考えてしまいました。……たぶん歩きスマホだな。立石駅の改札に上がる階段のところで、格安SIMのブランド銘入りポロシャツを着た若者が、その配っているポケットティッシュをもっとくれ、とご機嫌風のオジサンに絡まれていました。いいぞ、リア充・立石! 上り電車を待って、再び押上駅へ。そこで東京メトロに乗り換え、渋谷に出るつもりです。

 やって来た半蔵門線に乗り、シートに腰掛け、思わず息をのみました。向かい側に座った老若男女一列全員が、スマホと対峙していたからです。

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スーパーマン トリオ

ここのところ、電話ボックスが続々撤去されているような。なぜか電話が撤去され、しばらくしてボックス撤去に至る、というパターンが多いようです。鎌倉の若宮大路にあった、椅子付きの電話ボックスもそうでした。電話ボックスが無くなると、クラーク ケントがスーパーマンに変身できなくなる、というのは言われて久しい軽口です。クリストファー リーヴ(Christopher D'Olier Reeve)がクラーク ケントとスーパーマンを演じ、1979年に公開された映画『スーパーマン』では、回転ドアをくぐり抜けながらスーパーマン化するシーンがあります。電話ボックス可視化の進んだ1970年代後半にして、もう無理があったのかもしれません。
 写真は旅先の漁港、仲卸市場裏手に並んでいた電話ボックス。かつては浜値を伝えたり、トラックの手配をするのに、さぞ活躍したことでしょう。まずは電話のみ撤去されたようで、合羽干し場として余生を過ごしています。その合羽の青い色合いにちょっとだけスーパーマンを思い出しました。トリオのスーパーマン、いやスーパーマン三兄弟か?

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おとひめ亭

いつもの散歩コースで、光明寺(神奈川県鎌倉市)前から材木座海岸に出たら、海の家の設営が始まっていました。立て看板がアルバイトを募集しています。『作業中のスタッフまで』という添え書きがいいですね。リアル募集ですが、どこかTVドラマのセット的風合いが。材木座海岸っぽい。
 おとひめ亭は建物のサイドにミストを噴出していて、日差し照りつける夏場の散歩中にはこれが気持ち良かったことを思い出しました。今年もミストをぜひ是非!

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Renault Deluxeの真実

日野・ルノー4CVです。創造広場アクトランド(高知県香南市)に入ってすぐの無料エリアにありました。綺麗に仕上げられ、子ども向け遊具になっています。あたりには誰もいません。どれどれ、と運転席に座り驚きました。狭い!
 現在の軽自動車の比ではありません。学生時代に三菱ミニカ’70という360cc規格の軽自動車に乗っていましたが(名車でした)、それより狭い気がします。かつてはタクシーとして重宝されたモデルとのこと。その狭さは戦後のリアルを追体験させてくれます。まあその前に、貴重なこのモデルを綺麗に仕上げ、子供用の遊具に仕立て直し、無料開放している、というのも驚くべきことなのですが。

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人生は酸っぱい?

光明寺前から浜に出て、海を左手に材木座海岸(神奈川県鎌倉市)を散歩していたら、瓶がコロコロ波打ち際に。一応、手紙が入ってないか(Message in a Bottle。……1979年にポリスがヒットさせた時の邦題は「孤独のメッセージ」でしたね)近づいて見たら、中には梅干しらしきものが4個並んでいるのみ。
 これは、どういったメッセージなんだろう? 自慢の梅干しをあなたにも是非? 夏日には塩分も摂りなさい? それとも、人生は酸っぱい?

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焼津の夢

何かの勧誘? 一攫千金的な? と下まで見れば高校のポスターです。ああ、いま焼津(静岡県)に居るんだと実感。漁港食堂の出入り口に貼ってありました。
 それにしてもわかりやすい。漁港食堂の出入り口という掲示場所もピンポイントでハマッているし、なにやらドラマの小道具的な風合いさえ醸しています。修学期間は全寮制1年間、入学金・授業料不要、入学資格は30歳以下の心身ともに健康な者、といった要項を思わず読み込んでしまいました。釣りあげたいものです

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知らない街の知らない部屋で

思いがけず激しい雨に見舞われ、JR徳山駅山口県)近くのホテルで1日過ごしました。徳山港から近くの島に渡る予定だったのですが、キャンセルです。夕方、やっと雨が止み窓の外を見れば、新幹線の高架線路越しに瀬戸内海が見えます。こんなに眺めがよかったのか、と初めて気がつきました。
 知らない街の知らない部屋で突然丸一日過ごすことになる、というのも旅の醍醐味といえば醍醐味でしょう。悪くありません

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フクぷく

下関で泊まるときは下関グランドホテルに部屋をとります。海側の部屋から見える関門海峡の眺めが好きだからです。今回の部屋は620号室。ルームキーのアクセサリー外周はブルーでした。前回、919号室に泊まった時はピンクでした(2015年7月30日に写真を掲載していました)。毎回、このアクセサリーと目が合います。いいキャラですね。
 唐戸交差点をはさんではす向かいの、旧下関英国領事館の公式キャラクターはピーターラビットです。ピーターにも負けてないし、これを下関グランドホテルの公式キャラにしたらどうでしょう。名前が必要だな(もうあるのもしれませんが)。フクちゃんだと©横山隆一とカブってしまいますね。フク丸、というのも既にあるようです。ぷくっとしているので「フクぷく」とかいかも。漢字表記は「河豚福」で、ぜひ!

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ヘルマナス名物クジラサブレー

アフタヌーンティーに添えられていたお茶うけです。ヘルマナス(Hermanus)のリゾートにて見た瞬間、クジラサブレーだ、と思いました。鎌倉のハトサブレーは、鶴岡八幡宮本殿掲額の「八」が鳩の抱き合わせ文字であることに因んでいます。一方、海辺のリゾート、ザ マリーン ヘルマナス(The Marine Hermanus)で焼かれるこちらは、毎年春に沿岸までクジラがやってくることに因んでいるとか。春といっても、南半球なので9月のことですが。
 ケープタウンから東南に120km、クルマで海を右手に1時間半ほど走った先のリゾートでした。子どもがさっと描いたようなフォルムが、愛嬌です。ヘルマナス名物クジラサブレー、とかでもイケそうです

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シボレー3100ピックアップトラック

大阪市港区の築港(天保山とかがあるエリアです)に、ゴージャスなコレクションを誇る自動車博物館、GLION(ジーライオン)ミュージアムはあります。ゲート代わりに置かれているのがエアストリーム(キャンピングトレーラー)。そのエアストリームをトーインしている風に、シボレー3100ピックアップトラックが停められていました。これがななかなかの男前。アドバンス デザイン(Advance-Design)と呼ばれたモデルで、デビューは1947年のこと。ドアハンドルがプッシュボタンタイプで、前面ガラスがラウンドしたワンピース、グリルもモダンなブル ノーズ(bull nose:ブルドックの鼻ですね)と呼ばれたクロスバーデザイン(crossbar design)だから、1954年以降の最終モデルですね。
 ツートーン カラーもいいかんじです。強く心惹かれ、写真を撮りつつ、しばし見つめ合ってしまいました。ビョークBjörk)とカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)の映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(DANCER IN THE DARK 2000 デンマーク)ではごくありふれた日常の景色的に出演し、名脇役ぶりをみせました。映画は好みでは無かったけれど、このトラックが出てくるシーンはよかったなぁ

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たこやき、玉出にて。

大阪で国道26号線を走っていたら会津屋がありました。元祖たこ焼きの店だそうです。ロゴがいいですね。1986年にネルソン・ピケナイジェル・マンセルを乗せてF1を闘った、ウィリアムズ・FW11を思い出しました。コクピットまわりのイエローに描かれた、ICI(Imperial Chemical Industries インペリアル ケミカル インダストリーズ)のロゴにちょっと似てます。デザイン的な好みは、会津屋かも。
 かんじんのたこ焼きはトッピング無しの、大阪王道派でした。そしてとても熱かった! 1986年のネルソン・ピケナイジェル・マンセルの確執ぐらい、熱かった!

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衝撃の4 ベッド ルーム

別府湾を背に、流川通りを別府ラクテンチに向かって進んだ右側に、別府 亀の井ホテルはありました。温泉地で有名な別府ですが、仕事途中の宿として利用したためチェックインは午後10時過ぎ。ひとりなのでシングルルームを予約していました。フロントで1103号室のカードキーを受け取り、エレベーターで11階へ。ドアのロックを解除し、部屋の奥に進んでちょっと驚きました。ベッドが4つ並んでいたからです。

 シングルを頼んでツインにアップグレードはままあります。トリプル、ということもありました。しかし大抵フロントでマネージャーから微笑みとともに「今日は空きがありましたのでツインにさせていただきました。ごゆっくりどうぞ」とかと告げられます。さきほどのフロントでは無言でした。そして部屋はクアッド (quad)です。窓際はエクストラベッドだったので、トリプル+1ですが、それにしてもベッド多過ぎです。くつろぎのスペースが見当たりません。果たしてこれは〝アップグレード〟なのか? 大変悩ましいところです。布団が4組敷かれていて、畳がほぼ見えない和室にひとり放り込まれたような、感じです。……とりあえず手前からふたつ目のベッドを使うことにしました……

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New京急ポニー号

ちょっと前に滑川交差点から鶴岡八幡宮に向かう若宮大路(わかみやおおじ)を散歩していて、一の鳥居を過ぎた右手、由比ヶ浜二丁目にある湘南京急バスの鎌倉営業所車庫でこのバスを見かけました。フロントとサイドにレタリングされている『京急ポニー』とは、桔梗山や鎌倉中央公園と鎌倉駅を結ぶ、狭隘路線用に導入された京浜急行バスの小型車両(ミニバス)の愛称です。車体は日野ポンチョ。京急カラーの日野ポンチョは、羽田空港周辺で時々見かけましたが、鎌倉にも赴任されたのですね。自分はこの京急カラーが割と好みです。
 なんか、ポニーという愛称がしっくりくる愛嬌あるスタイリングですね。ちなみに日野ポンチョという車名は「PONと乗って、CHOこっと行く。誰もが気軽に乗れる日野自動車の小型ノンステップバス」に由来しているそう。それにしてもウルトラマン世代には、実に刺さるカラーリングだなあ。運転席にアラシ隊員(毒蝮三太夫)とか、似合いそうです

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ひばり毛糸店

尾道の商店街はとても魅力的です。尾道水道と山陽本線の間を東西に1km以上続いています。JR尾道駅のある方が西端で、そこから東にむかってたしか一番街、中商店街、本町センター街、中央街、尾道通りと続いていたような。商店街から南北に延びる枝道がまたいいですね。様々な時代の断面がむき出しで、目眩がしそうになります。
 日中がおススメです。夜はちょっと寂しくなるから。自分は19時過ぎにぶらぶらしながら、その暗さになんとなく気分重めに。このひばり毛糸店の看板を見つけ、そのディスプレイのポップに、やっと気が晴れました

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