あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

背徳の真夏ドライブ

エアコンの効いた車内で、ステアリングを握る真夏のドライブ。オートバイ好きとしては背徳感あります。なにが暑いって、真夏の首都圏、大排気量車にまたがりGo&Stopを繰り返しているときほどの暑さは、そうそうありません。最後には干からびるぞオレ、と思いつつ、以前は元気に走り回っていました。青山通りとか甲州街道とか、霞が関に近づけば近づくほど暑かったなあ。
 エアコンを効かせるから真夏はぴっちり窓を閉め、クルマはちょっとしたシェルターと化します。軽く引き籠もるかんじも心地よくて、背徳的だなぁ

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本日海の日

逗子(神奈川県)から鎌倉への散歩中にこの石柱をいくつか見かけます。その昔、相模から横須賀の海軍施設へと敷設された水道管が、直下地中にあることのサインのようです。「海」とは〝海軍〟の意。
 この石柱、駐車場の壁に埋め込まれていました。抜いたり、埋め込んだりせず、残したところにリコメンド感があります。波の意匠も、明朝体の書体も、キマってますね。本日海の日なり

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サンダーバードではなくサンバード!

はじめてのアメリカ行きは、デイトナビーチ(Daytona Beach, Florida)のバイクウィーク取材でした。ひとり深夜にオーランド空港(英: Orlando International Airport)に着き、レンタカーカウンターで鍵を受け取った際、クルマは「サンダーバード」と聞こえました。それはゴージャス、と、喜んで指定された駐車スペースに行くと、あったのは地味めの青いコンパクトセダン。決してサンダーバードではありません。ええ? と思いつつ、鍵を刺すと、見事に解錠。とりあえずトランクにスーツケースをと、リアにまわればPontiac Sunbirdの文字が。サンバードか、そんなクルマあるんだ、と残念ながら腑に落ちました。やや緊張しながらサンバードで空港駐車場を出るときの高揚感と、3月なのに蒸し暑いフロリダの夜の甘い風は、今も忘れていません。
 その夜は、デイトナビーチに向かう途中のモーテルに1泊。ドアを開けた瞬間部屋というつくりに慣れず、ドアの外で靴を脱ぎかけたりしました。唸るエアコンをBGMにすぐに爆睡。1980年代終わり頃の話です。写真は数年前にアメリカ西部で撮った1枚。初めて訪ねてから30年近くたちますが、アメリカでの旅の基本は、さほど様変わりしていない気がします。ポンティアックも 、サンバードも、無くなってしましましたが

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よし、飲もう!昼だけど

ランチを食べに行った店の入口にあったポスターです。モデルのセレクトが本土大手のそれとは大きく異なっていて、そのギャップに魅せられました。事実オリオンドラフトを無性に飲みたくなったので、ポスターの出来は満点といっていいでしょう。よし、飲もう!昼だけど、と決意は固まったのですが、生憎お店は満席で「30分以上空かないかもしれません」とのこと。
 また来るね、と彼女に言い残し、結局その日は別の店でタイ料理をいただきました。沖縄料理より、もはやオリオンドラフトを飲みたい一心で、再訪が楽しみです

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いすゞ ベレット

ベレット(ISUZU Bellett)です。風洞実験用のモックアップとのこと。いすゞプラザ(神奈川県藤沢市)に展示されていました。いすゞプラザはいすゞ創立80周年記念事業の一環として作られた施設で、なかなか見応えあります。自分は1980年代にベレット、'90年代にフローリアンに乗っていたいすゞ好きなので、大いに楽しみました。
 それにしてもこのモックアップ、質感といいスケールといい、たまりません。以前取材で訪ねた滋賀県安土城考古博物館の一角に、地元の神社から委託され預かっているという、とても印象的な木彫のご神体(片足を立て膝にした女性が、自分の瞼を指で開け、髪の間からこちらを見ている)があり、「おお、魂が入っているなあ」と感動しましたが、これを見て、なぜかそのご神体を思い出しました。ちょっと黒光りしてるのも、ありがたい感じ満点です。柏手を打ちたくなりました。ベレット、名車ですね

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夏が来れば思い出す

夏が来れば思い出すのは自分的には、はるかな尾瀬&遠い空ではなく、奥入瀬(おいらせ 青森県十和田市)です。渓流沿いをオートバイで初めて走ったときは、ああこの道は黄泉国(よみのくに)にでも至るのでは、と身構えたほど。身も心も新緑に染まり、水の香りに満ちていました。
 真面目に走れば、首都圏からでも1日で行けるエルドラドです。ねぶた&奥入瀬とか、いいなあ。青森ねぶた祭りは、今年も8月2日から7日の開催です。今年は水曜日に始まり、月曜日にフィナーレ、ということですね。そそられるなあ、らっせーらー、らっせーらー、らっせ、らっせ、らっせーらー!

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シーバーズカフェにて

JR日立駅茨城県)の駅ナカ(とはいっても改札外ですが)のシーバーズカフェです。海に張り出したように撮られた写真で紹介されていることが多いので、海っぺりかと思いきや、向こうには家があり、海に張り出して海上橋を行く国道6号線日立バイパスがあり……。設計は、地元日立市出身の妹島和世さん。妹尾さんは日立市役所の新庁舎も設計していて、この4月28日に竣工。7月18日の供用開始を前に、今週末(7月1日、2日)には市民を対象とした新庁舎内覧会も開催されるようです。妹尾さんといえば、2018年度末運行開始予定の西武鉄道 新型特急車両のデザイン監修でも話題になっていますね。6月13日に発表されたイメージ画では、窓が(やっぱり)とても大きく切られていました。
 シーバーズカフェの下は日立駅海岸口のロータリーです。板子一枚下は地獄(いたこいちまいしたはじごく)は船乗りの常套句ですが、シーバーズカフェは〝板子一枚下は現実〟でした

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恋は水玉

茨城県袋田の滝入口にある土産物屋、滝本屋本店のテーブルです。今はもうなかなか見なくなった(都心部では絶滅危惧種)瑠璃水玉の茶碗です。ピカピカです。プラスチックのざるに無造作に重ねられているのがいいですね。傍らのピッチャーとペアで、ご自由にどうぞ的演出に余念がありません。危惧種を大切に……的あざとさは皆無で、あるのはバリバリの現役感のみ。ふと「恋は水玉」というフレーズが浮かびました。そんなタイトルの歌謡曲、あったような、無かったような。
 滝本屋本店は、滝見橋の手前の小さなロータリーに面していて、店内一角が食堂というつくりもキュートです。残念ながら閉店間際に入ったので注文できませんでしたが、山菜ざるそばとか、ちょっと美味しそうでした

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それゆけリア充・立石!

 

京成立石駅に着いたのはお昼過ぎ。約束の時間まで間があったので、食事のできる惣菜屋にしてのんべえにも愛されている倉井ストアーに行きました。13時前でしたが、草野球ユニホーム軍団も、夫婦らしき方も、おじさん三人連れも、その他のテーブルも、ことごとく皆さん、お召し上がり中です。草野球軍団は既に一試合終えた後、缶酎ハイを開けつつ、口(くち)野球の熱戦真っ最中。ダブルヘッター、ですね。「そりゃあ、ナガシマだったらよォ……」と懐かしいフレーズも飛び交います。600円のメンチカツ定食をオーダーしました。所用があるので、お酒をのめず申し訳ないかんじです。見るともなし壁のお品書きを眺めていたら「店内での携帯電話、パソコンの使用はご遠慮ください」の但し書き。スマホは? と心中ツッコミつつ、ハタと気がつきました。そういえばさっきから、スマホを持っている人を見てない! 立石駅到着前、押上駅で乗り換えたあたりから、見てない気がします。その後も、定食を食べ終え所要を済ませ立石駅に戻る間に、通りでスマホをいじっている人はいませんでした。リア充・立石ですね。一度怪しい動きのおじいさんがいましたが、よく見れば掌の小銭を数えていただけでした。歩きスマホはいませんが、歩きタバコはけっこう多い。歩きタバコと歩きスマホ、どっちが不健康か、考えてしまいました。……たぶん歩きスマホだな。立石駅の改札に上がる階段のところで、格安SIMのブランド銘入りポロシャツを着た若者が、その配っているポケットティッシュをもっとくれ、とご機嫌風のオジサンに絡まれていました。いいぞ、リア充・立石! 上り電車を待って、再び押上駅へ。そこで東京メトロに乗り換え、渋谷に出るつもりです。

 やって来た半蔵門線に乗り、シートに腰掛け、思わず息をのみました。向かい側に座った老若男女一列全員が、スマホと対峙していたからです。

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スーパーマン トリオ

ここのところ、電話ボックスが続々撤去されているような。なぜか電話が撤去され、しばらくしてボックス撤去に至る、というパターンが多いようです。鎌倉の若宮大路にあった、椅子付きの電話ボックスもそうでした。電話ボックスが無くなると、クラーク ケントがスーパーマンに変身できなくなる、というのは言われて久しい軽口です。クリストファー リーヴ(Christopher D'Olier Reeve)がクラーク ケントとスーパーマンを演じ、1979年に公開された映画『スーパーマン』では、回転ドアをくぐり抜けながらスーパーマン化するシーンがあります。電話ボックス可視化の進んだ1970年代後半にして、もう無理があったのかもしれません。
 写真は旅先の漁港、仲卸市場裏手に並んでいた電話ボックス。かつては浜値を伝えたり、トラックの手配をするのに、さぞ活躍したことでしょう。まずは電話のみ撤去されたようで、合羽干し場として余生を過ごしています。その合羽の青い色合いにちょっとだけスーパーマンを思い出しました。トリオのスーパーマン、いやスーパーマン三兄弟か?

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おとひめ亭

いつもの散歩コースで、光明寺(神奈川県鎌倉市)前から材木座海岸に出たら、海の家の設営が始まっていました。立て看板がアルバイトを募集しています。『作業中のスタッフまで』という添え書きがいいですね。リアル募集ですが、どこかTVドラマのセット的風合いが。材木座海岸っぽい。
 おとひめ亭は建物のサイドにミストを噴出していて、日差し照りつける夏場の散歩中にはこれが気持ち良かったことを思い出しました。今年もミストをぜひ是非!

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Renault Deluxeの真実

日野・ルノー4CVです。創造広場アクトランド(高知県香南市)に入ってすぐの無料エリアにありました。綺麗に仕上げられ、子ども向け遊具になっています。あたりには誰もいません。どれどれ、と運転席に座り驚きました。狭い!
 現在の軽自動車の比ではありません。学生時代に三菱ミニカ’70という360cc規格の軽自動車に乗っていましたが(名車でした)、それより狭い気がします。かつてはタクシーとして重宝されたモデルとのこと。その狭さは戦後のリアルを追体験させてくれます。まあその前に、貴重なこのモデルを綺麗に仕上げ、子供用の遊具に仕立て直し、無料開放している、というのも驚くべきことなのですが。

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人生は酸っぱい?

光明寺前から浜に出て、海を左手に材木座海岸(神奈川県鎌倉市)を散歩していたら、瓶がコロコロ波打ち際に。一応、手紙が入ってないか(Message in a Bottle。……1979年にポリスがヒットさせた時の邦題は「孤独のメッセージ」でしたね)近づいて見たら、中には梅干しらしきものが4個並んでいるのみ。
 これは、どういったメッセージなんだろう? 自慢の梅干しをあなたにも是非? 夏日には塩分も摂りなさい? それとも、人生は酸っぱい?

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焼津の夢

何かの勧誘? 一攫千金的な? と下まで見れば高校のポスターです。ああ、いま焼津(静岡県)に居るんだと実感。漁港食堂の出入り口に貼ってありました。
 それにしてもわかりやすい。漁港食堂の出入り口という掲示場所もピンポイントでハマッているし、なにやらドラマの小道具的な風合いさえ醸しています。修学期間は全寮制1年間、入学金・授業料不要、入学資格は30歳以下の心身ともに健康な者、といった要項を思わず読み込んでしまいました。釣りあげたいものです

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知らない街の知らない部屋で

思いがけず激しい雨に見舞われ、JR徳山駅山口県)近くのホテルで1日過ごしました。徳山港から近くの島に渡る予定だったのですが、キャンセルです。夕方、やっと雨が止み窓の外を見れば、新幹線の高架線路越しに瀬戸内海が見えます。こんなに眺めがよかったのか、と初めて気がつきました。
 知らない街の知らない部屋で突然丸一日過ごすことになる、というのも旅の醍醐味といえば醍醐味でしょう。悪くありません

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