あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

ボストン夕景

外国滞在中、ああここは日本ではないのだなぁ、と実感するのはどんなときですか? 自分は海辺の景色を見たときです。本来、自由への玄関であるはずの海辺が、日本はいまいち息苦しい。
 写真は米東海岸、ボストン(Boston, Massachusetts, USA)の夕景。ヨットやディンキーの勝手気儘な舫い方がいいですね

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くっちゃんのゆきだるま

羊蹄(ようてい)国道と呼ばれる国道5号線を、倶知安(くっちゃん:北海道虻田郡)から余市に向け走り出してすぐ。右手で、ゆきだるまが微笑んでいました。『農産物直売所くっちゃんマルシェ』の屋根の上です。真ん中のお子さんの、楽しげな体の傾きがたまりません。手もパーだし。右側はお母さん? 水色の眼は、広い大地を見続けた虚無ゆえでしょうか。
 残念ながらマルシェはお休みでした。北海道では既に収穫の秋が始まりつつあり、帰路の荷物に重量制限のある飛行機利用者には、ジャガイモとか、メロンとか、目の毒です。きのこ王国とか、ついついトマトやとうきびを手にしたりして、まじヤバい。そんな、せちがない煩悩とは無縁なのでしょう。この3人、ほんとうに楽しげです

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圏外への旅

フェリーの旅はいいものです。乗船して移動しているのだから、旅の只中なのに、のんびりと過ごせます。あの、とりあえず圏外だし何もすることないし感は、海上を行くフェリーならでは。写真はスオーナダ(周防灘)フェリー乗船中に撮りました。島も海も和風だと、船すら和風に見えるから不思議です。
 いま一番気になっているフェリーは宿毛港(高知県宿毛市)と佐伯港(大分県佐伯市)の間、78kmを3時間10分で結んでいる宿毛フェリーです。1000tの『ニューあしずり』一隻で1日3往復しています。10月頃に、オートバイに跨がって乗船してみたいなあ

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エニワン エルス

 キャデラックCTSのメーターは12.3インチのクラスターパネル。スピードメーターの右側はカラー液晶のDIC(ドライバーインフォメーションセンター)とのこと。自分のiPhoneApple CarPlayにコネクトさせ、音楽を聴きながら試乗していたら、曲が変わる度、DICの画面が切り替わり曲情報とジャケ写が表示されます。音源がSpotifyかTunein Radioか、Amazon Musicだったか忘れてしまいましたが、そうなります。
 そのときかかっていたのは、ブレイク・シェルトン(Blake Shelton)というカントリー歌手のエニワン エルス(Anyone Else)とのこと。運転しながらラジオ的に聴き流す初めての曲でも、瞬時にタイトルとアーティスト名がわかるのは、北米を旅するときとかにいいだろうなあ。その後このタイトルを検索し、1950年後期のシボレー アパッチ(Chevrolet Apache)と覚しきピックアップトラックでのシーンから始まるMVを鑑賞。クルマが優れた情報端末になりつつあると、実感しました

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夜明けのμ

 夏のツーリングは、蝉が鳴き始めるまでが勝負。早朝は道は空いているし、涼しいし。テント泊では夜明けの気配とともにテントを畳んで出発します。
 1987年のヒットに『夜明けのミュー』(小泉今日子)という曲があります。自分はこれを『夜明けのμ』だと三十年間、つまりつい最近まで思い込んでいました。μとは摩擦係数を指し〝夜半から降雨で、路面のμが極端に下がり……〟といった風に使います。夜明け独特のザラッとした淀みや空気がふたりの仲を蝕んでいく的に解釈していましたが、実はミューは『MEW』で、これは猫の鳴き声なのだそうです。夜明けのニャー、ですね。とはいえ三十年の歳月もあり、自分的には断然『夜明けのμ』です。角島大橋(つのしまおおはし:山口県下関市豊北町)にて

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船、家、クルマ、鉄球、戦車、水槽、牛乳。

北海道を走っていると、すれ違うトラック、トレーラーがバリエーションに富んでいます。首都圏においてメジャーなアルミパネルタイプは、むしろマイナー。実にいろいろなものが半ばむき出しで荷台に。建機、動物、藁、丸太、船、家、クルマ、鉄球、戦車、水槽、牛乳……。オートバイで走っていて気づいたのですが、トラックは、車体の美しさと運転マナーの良さがほぼ正比例しています。
 リトル・フィート(Little Feat) の曲に、トラックドライバーを歌ったウィリン(Willin')という名曲があり、北海道を走っていると聴きたくなります。本州、四国、九州では、トラックのBGMといえば『走れ!歌謡曲』ですが、自分的には北海道のみ『ウィリン』です

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神戸走馬燈タワー

神戸ポートタワーです。先日行ったら、周辺のメリケンパーク内に、スターバックス コーヒー(神戸メリケンパーク店)が出来ていました。105席を擁していて、3割強がテラス席。朝8時開店だそうです。ちょっとうらやましいロケーションです。近くの神戸海洋博物館内にある企業ミュージアム、カワサキワールドもオートバイ好きとしては見逃せません。
 元町駅から徒歩で15分ほどです。自分はこのポートタワーを見ると反射的に、学生の頃を思い出します。近くの高架下(元町高架通商店街)で買ったショット(Schott)のボンバージャケットのゴワゴワした着心地や、ジャックパーセル(JACK PURCELL converse)の優しい履き心地がよみがえります。南京町の二階の店で食べた炒飯の香りも。目に入った瞬間いろいろ思い出す、自分的には走馬燈のようなタワーです

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ウオーターメロン マン

国道134号線の三浦海岸交差点(神奈川県三浦市)のハンバーガーショップの二階客席から外を眺めていたら、西瓜を載せた軽トラックが通り過ぎました。このあたり、三浦スイカの産地であり、今は収穫只中です。ハービー ハンコック(Herbie Hancock)のウオーターメロン マン(Watermelon Man)がきこえてきそうです。
 YAMAHA RZ250というオートバイに乗っていたとき、ツーリング先でスイカを買ったことがあります。あれは阿蘇でした。走っていても熱風があたるだけ、あまりに暑くて、道路脇の木陰に軽トラックをとめて、スイカを売っているおじさんの横で、しばし休憩。コワモテのオジサンが、スイカを切ってくれ、全く冷えてないけど妙にうまくて、1玉買いました。ところが積んだら重心が高くなり、固定が難しくコーナーごとに暴れ、大変でした。そのスイカをその後どうしたか、食べたのか、誰かにあげたのか、まったく覚えていませんが「ツーリング中にスイカを一玉買ってはいけない」と肝に銘じたことは、はっきり覚えています。その頃、1980年代はじめの阿蘇のスイカは、ビックリするくらい大きく重かった。気分的にはオールマン ブラザース バンド (THE ALLMAN BROTHERS BAND)のイート ア ピーチ (Eat a Peach) のジャケットの絵くらい、大きかった!

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野朝顔の生け垣仕立て、妖怪百目風。

三浦海岸に向かう途中、須軽谷(すがるや:神奈川県横須賀市)にノアサガオ(野朝顔)の生け垣がありました。宿根アサガオ琉球アサガオ、西表アサガオケープタウンアサガオとも称されるこの朝顔、繁殖力が強いようで、よく見るようになりました。つる性の多年草で、関東以西では戸外で越冬できるそうです。
 夏のツーリング中、十メートル以上の塔を覆い尽くしているのにいきなり出くわすと、一瞬ゾッとしたりします。妖怪百目(ひゃくめ)っぽい。自分はちょっとトライポフォビア(trypophobia:集合体恐怖症)気味なのかも。怖いけど、惹かれます

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ポンピドゥーにて

十年ほど前の夏、パリのポンピドゥーセンター(Centre Georges-Pompidou)の広場で馬頭琴の演奏をしていました。ホーミーも披露してくれました。欧州からすると日本は海外ですが、モンゴルは地続き。馬頭琴の重奏により、広場に馬の大群が駆け回った(ように思えた)名演奏でした。
 そのポンピドゥーセンター、現在はデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)展を開催中です。生誕80周年を記念し、170点以上の絵画、写真、版画、ビデオ インスタレーション、図面等を集めた大回顧展、かと思いきや、御年80でご存命でした。失礼いたしました。毎週木曜は、23時迄開館しているそうです。夏の夜、デイヴィッド・ホックニー展を観にポンピドゥーへ、というのには、ちょっとそそられます。いや、ちょっとじゃないかも。ちょっとでは、ないなぁ

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ちゅうちゅうに会いに

竹中工務店東京本店1階にある、GALLERY A4(ギャラリー エー クワッド)で開催中のヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』展にあった、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』の原画です。ちゅうちゅう好きの自分としては、たまりません! 会場に設置されたモニターでは、ヴァージニア・リー・バートンご長男のアリスティデス・デメトリアスさんが語る母、的なインタビューが流れていて「彼女はよく、すべての人の内面にアートがあると口にしていました」とコメント。アリスティデスさんも『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』が最もお気に入りとのこと。かなりご高齢とお見受けしましたが、腕にはApple Watch、パンツはTHE NORTH FACEでキメてられていました。
 ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』展は8月9日まで。会場であるGALLERY A4へは、東京メトロ東西線 東陽町駅 3番出口から徒歩3分です。『きかんしゃやえもん』もいいけど、やっぱり自分は『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』派だな、と深く強く再確認しました

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オバQ音頭でキュッ キュッ キュッ!

小学生だからフォークダンスを踊らせる、という風潮がかつてあって、自分は小学生のとき、これを暴力だと感じていました。踊らず、時に激しく叱責されました。今でもオクラホマ ミキサーを聴くと悲しくなります。オクラホマ ミキサー、曲名だと思っていたら、あの忌まわしいダンスの名前とのこと。Oklahoma Mixerだそうです。では、あの曲の名前は? といえば、Turkey in the Straw。♪ 特別じゃない英雄じゃない みんなの上には空がある〽 と歌ったのはAIちゃん(篠原誠 作詞)ですが、Turkey in the Strawの邦題は「藁の中の七面鳥」。出だしの歌詞はこうです。♪ さあたいへんだ さあたいへんだ 七面鳥が逃げてゆく〽 (日本語詩作詞 久野静夫)。
 その一方、盆踊りは昔からわりと好きです。ひなびていればひなびているほど、輪が小さければ小さいほどいい。写真は北鎌倉円覚寺の山門周辺で催される盆踊り大会。例年、8月15,16,17日の午後7時から9時半頃まで踊れます。さすがにもうオバQ音頭はかからないけど、例年ドラえもん音頭では盛り上がります。自分はオバQ音頭、好きでした。オバQ音頭をリコメンドしている盆踊り大会があったら、参加したいです

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Oppama

なんだか発泡酒のコマーシャルフィルム撮影にむけ作られたセットのようですね、横須賀市追浜近く、灼熱の国道16号線沿いで見かけました。「夏祭」といい「神酒所」といい、すべての書体にやる気みなぎってます。下の縦書き「夏祭」も実にナイス。
 ちなみに追浜、と書いて「おっぱま」と読みます。京急京浜急行電鉄)の駅があり、英語表記は〝Oppama〟です。英字の並びからするとフロリダ州あたりの地名にありそう。〝追浜〟と〝Oppama〟のギャップに、自分は大層癒やされます

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背徳の真夏ドライブ

エアコンの効いた車内で、ステアリングを握る真夏のドライブ。オートバイ好きとしては背徳感あります。なにが暑いって、真夏の首都圏、大排気量車にまたがりGo&Stopを繰り返しているときほどの暑さは、そうそうありません。最後には干からびるぞオレ、と思いつつ、以前は元気に走り回っていました。青山通りとか甲州街道とか、霞が関に近づけば近づくほど暑かったなあ。
 エアコンを効かせるから真夏はぴっちり窓を閉め、クルマはちょっとしたシェルターと化します。軽く引き籠もるかんじも心地よくて、背徳的だなぁ

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本日海の日

逗子(神奈川県)から鎌倉への散歩中にこの石柱をいくつか見かけます。その昔、相模から横須賀の海軍施設へと敷設された水道管が、直下地中にあることのサインのようです。「海」とは〝海軍〟の意。
 この石柱、駐車場の壁に埋め込まれていました。抜いたり、埋め込んだりせず、残したところにリコメンド感があります。波の意匠も、明朝体の書体も、キマってますね。本日海の日なり

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