あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

ここはひとつ『不動モータース』に

石川県内を走っていて「えっ!」と思い、クルマを路肩に。歩いて戻ったらやはり看板には『不動モータース』とあります。不動さんという方が興した自動車整備工場、なのでしょうか。
 狩場から16号バイパスを東名高速 横浜町田ICに向かう途中、左手に『切詰自動車』という板金屋さんの看板があり、目にするたび心なごんでいたのですが『不動モータース』のインパクトも相当です。「どうも最近クルマの調子が悪い、ここはひとつ不動モータースにみてもらうか……」などと地元では、言われてたりするのでしょうか。旅先で心に沁み入る店名でした

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おおRZ!バランバンバンバッ

クルマを運転していて視界の左隅の何かに、強く呼び止められました。え? と思ってよくよくみればRZ250じゃないか! 37年前の8月5日に新車で買った、思い出のオートバイです。クルマを駐めて見に行けば、ショーウインドウに入っていたそのマシンのサイドカバーにはXSR900の文字が。ポップアップの但し書きによれば、タンクカバーとサイドカバーがレトロフィットなのだそうです。ふーむ。
 店は定休日のようで、ただただガラス越しに見つめるのみ。心のどこかにボゥッと火が灯った気がしました。イグニッションをONにして、キックを踏み込んだときのバランバンバンバッバッババランバッバッバッババッという排気音が、よみがえりました!

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メリークリスマス!ガタンゴトン

昔の寝台特急は、客車を牽引する機関車がヘッドマークを掲げていて「富士」とか「出雲」とか「はやぶさ」とか、じつにカッコ良かった。写真は信越本線横川駅の先にある、碓氷峠鉄道文化むら。そのなかで動態保存されている碓氷峠専用電気機関車 EF63です。ヘッドマークがわりにクリスマスリースを掲げ、運行中です。
 このEF63、日本で唯一、運転体験できる電気機関車です。3万円を払い学科教習を受けることが必要で、受講翌日から指導員同乗のうえ運転体験ができます。旧信越本線400m程を往復運転でき、所要時間は30分、料金は5千円とのこと。目の前を重々しく(108tもあるそうです)通過するのを眺めたいへん、そそられました

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こんにゃくフライ

まだまだ知らないことがあるものだなあ、と改めて思い知らされました。静岡市清水区を流れる興津川の上流にある、清水森林公園やすらぎの森のなかの売店で見つけました。こんにゃくのフライです。8ヶ 200円です。なんの但し書きもなく、地元の農産物やお菓子などを売る「笑味(えみ)の家」店先に置かれていました。きんつばや炊き込みご飯、やきそば、蕎麦、饅頭などの並びに、こんにゃくフライです。おかずなのか、おやつなのか、微妙です。傍らにはおでん鍋があって、どれでも1串 80円でした。
 そのこんにゃくフライを店先のテーブルで山を眺めつついただけば、はじめての味です。こんにゃくは味付きでした。ここは茶葉を急須に入れて湯を注げば、美味しいお茶が飲み放題で、さすが茶処です。かんじんの「おかずか、おやつか」は0-0のまま、食べ終えて5日が経った今でも延長戦を続けています。それほど微妙です

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Chevrolet Camaro Desert Runner

国道134号線三浦半島の先の方、地名で言えば三崎方面へ向かっていたとき、葉山の長者ヶ崎を過ぎ、佐島入口を過ぎた先、大楠山入口交差点でこのクルマを見かけました。Chevroletカマロ ベースのワンオフモデル『デザート ランナー』だそうです。ベースとなっているのは4th Camaroですね。ボディの流線型フォルムがリフトアップで、一層際立ってました。
 QUADRUPED(クワドロペット)というショップの、Used Car展示でした。割と好みです。

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総論イマイチ

本日をもって、ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」が終わります。今回の出展作品ベスト3は、横浜美術館にあった『僕らは鼻歌で待機する』風間サチコ、同じく『まるで胸に穴が開いたような、僕の知っている街、東京の夕暮れ』ミスター(写真↓ )、そして横浜赤レンガ倉庫1号館の『ザ・ビジターズ』ラグナル・キャルタンソン(Ragnar KJARTANSSON)でした。
 『‘Why Are We?’’ Project』スプツニ子!もよかった。でも総論としては、イマイチ!

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Cadillac Fleetwood Brougham!

1982年モデルのキャデラック フリートウッド ブロアム(Cadillac Fleetwood Brougham)にあったボンネット マスコットです。現行モデルにはない月桂樹飾りと、クラウン的な7ポイントまでトップに配した、堂々たるもの。
 モデル名にあるフリートウッドは、1909年に開業したペンシルバニア州フリートウッドのFleetwood Metal Body Companyに由来するもの。格式高い高級車であることを意味します。ブロアムは英国の政治家、Henry Broughamから。彼が愛用した馬車の、垂直に切り立ったリアガラスのデザインを踏襲しているからです。このモデル、オイルショックを受けエンジンは7リットルから4リットルにダウンサイジング、ボディも小型軽量化されましたが、それでもさすがキャデラック。マスコットが立派、キラキラです。'80年代当時、キャデラックからはたいへんユニークなシマロン(Cimarron)もリリースされていました。……その話はまた後日にしましょう、アディオス!

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356!


十日ほど前の週末、長野に向けて上信越道を下っていたら、ポルシェ356を何台か見かけました。生憎の雨でしたが、活き活き走り去る姿は眼福です。どうやら長野県下でインターメカニカのオーナー ミーティングがあった模様。
 そして昨日、開幕した東京モーターショー2017に行ったら、ポルシェブースに実にミントな356が。このショーのために、ポルシェミュージアムから空輸されて来たそうです。いいなあぁぁ!

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スクガラスは、スク硝子?

 スクガラス豆腐です。〝スク〟はアイゴの稚魚、〝ガラス〟は塩漬けのこと。もう三十年ほど前、那覇ではじめて見かけた時は、硝子瓶にあまりに綺麗にスクが詰められていてたので、スク硝子なのか? 民芸的な土産もの? と勘違いしました。
 夏の味がします。秋も暮れつつあるいま頃食べると、少々切ない塩味です

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中尊寺にて

関山 中尊寺岩手県西磐井郡平泉町)を歩いていたら、弁財天堂阿弥陀堂の間の細い路地の向こうに、気になる朱いものが。弁財天堂の池を左手に歩み寄ると、ダットラ(Datsun truck)の消防車でした。中尊寺特設消防隊とあります。1970年代の終わりにデビューした720系の4ドアダブルキャブ仕様ですね。
 このダットラ、1984年に公開された角川映画『メイン・テーマ』にも出演、森田芳光監督の青春ロードムービーに白いダットラが映えていました。松本隆作詞、南佳孝作曲で、主演の薬師丸ひろ子が歌った同名主題歌が良くて、たしかEPレコードを今でも持っています。それにしても中善寺ダットラの風合いはなかなかのもの。もはや御神輿に近づいており、参拝客にも人気です。その傍らで、火除けのダットラ御守りとか売ってたら、欲しいかも

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ウミネコとペタシ

いつものように材木座海岸を散歩していたら波打ち際の向こう、鯔(ぼら)でしょうかぴょんぴょん魚が飛んでいて、朝日をキラキラ跳ね返しています。それに心惹かれたのかウミネコがやってきて、波打ち際のこちらに着水。どうしたものか、と思案しているよう。その向こうにはサップ(Stand Up Paddleboard)が一艇。
 いつも思うのですが、このサップが沖を行くのを見かけると自分は谷岡ヤスジ先生のキャラクター、ペタシを思い出します。 ペタシ、ペタシの足音で登場する、腰巻をまとっただけの放浪の哲学者です

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ヘルメットを脱いで

二輪免許取得は1970年代後半で、当時すで最高速規制が40km/hを超える道路ではヘルメットの着用が義務化されていました。免許を取ったら停学、バイクに乗ったら退学というむさ苦しい高校に通っていた身としては、この規制は顔バレ対策にむしろ好都合。でもあの当時は、観光地で景色が良かったりすると、ヘルメットを腕にノーヘルで爽快感を味わうライダーも多かった。ばったり出くわしたパトカーにも、短くサイレンを鳴らされ「ヘルメット!」とマイクでがなられるくらいで済んでいたような。だから高校生の自分にとって、ツーリング先でヘルメットを脱いで走る時の爽快感、開放感には格別のものがありました。
 1980年代の終わりにミラノ郊外のモトグッチ(MOTO GUZZI)で広報車を借りてフィレンツェまでツーリング取材した際も、ノーヘルを注意されました。夕方の渋滞でカメラマンが乗った取材車とはぐれてしまい、旧市街の迷路にハマり、そのうち冷え込み妙にシールドが曇るのでヘルメットを腕にかけて走っていたら、アルノ川に架かるポンテ ヴェッキオ(Ponte Vecchio)橋入口で、バイクを降りようとしていた警官に遭遇。「そのヘルメット、被りなさい」と手振りで怒られました。ああ、助かった、と傍らにバイクを停めて事情を話すと、パスポートチェックの後、メモにあるホテルまで先導してくれました(もちろん、サイレンを鳴らしながら!)。別れ際、警官は「良いバイクだね」とニッコリ。走り去る彼が乗っていたのが、BMW(たぶんK75)だと気づき「そういうものか?」と思ったこと、妙によく覚えています

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人類の孤独ざる盛り

夕暮れ時にショッピングモールを歩いていて何か視線めいたものを感じ、ふと見ればそこにあった食品サンプルのひとつが自分の目を捉えて離しません。空腹ではなかったので反応したのは食欲では無く、自分のなかの別の何か。
 宇宙規模的な、2017年の孤独がそこに配列されていました。『人類の孤独ざる盛り合わせ』です。片岡義男さんの小説に『誰もがいま淋しい』というタイトルがあったこと、ふと思い出しました。これで980円だそうです。値段すらも孤独です

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鎌倉の鈴虫

鈴虫寺といえば京都 妙得山 華厳寺が有名ですが、自分にとっては北鎌倉 円覚寺です。北鎌倉駅あたり、横須賀線円覚寺境内を横切っていて今時分の夜は、北鎌倉駅に着き電車のドアが開くと、驚くべき音圧の虫の音。ほろ酔いでうたた寝などしていると、目が覚めます。
 今朝、鎌倉の下馬交差点を渡っていたら、ちょうど鎌倉女学院の生徒たちの通学時間で、警官が交通整理をしていました。その警官が鳴らす笛が、鈴虫っぽい音色だったので、「さすが鎌倉」と感心。でもよく見たら音はすれど、誰の口にも笛がありません。それは笛の音を模した、携帯電子ホーンなのでした。信号の変わり目、ちょっと急かすようピッ、ピッ、ピピッと鳴らすのも、いまやデジタル。諸行無常の響きあり

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O MO TE NA SHI

自分が最初に朝食のご飯を部屋ごとに炊き分けているのを取材したのは湯河原温泉の石葉(せきよう)という旅館でした。前夜にお客さんから言われた朝食の開始時間にあわせ、それぞれのご飯をいくつものカセットガスコンロに載せた釜で炊きあげていました。火加減の調整がシビアで、かなり調理場は慌ただしかった。
 写真は別府温泉の花べっぷという旅館で目撃した、自動個別釜炊きマシーン。なんだかアートです。開催中の現代アート展『ヨコハマトリエンナーレ -2017- 島と星座とガラパゴス』会場にあっても、違和感なく見てしまいそう。タイトルは『O MO TE NA SHI』かな。

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