田宮、タミヤ、TAMIYA!
プラモデルのメジャーメーカー、タミヤの本社(静岡市駿河区恩田原)には事前申込制(当日受付不可)の歴史館、実車展示コーナー、ショールーム、オフィシャルショップがあります。歴史館には初期の木製模型からはじまる、これでもか! というほどのタミヤコレクションが一堂に。さながらタミヤの海で、すぐ溺れそうになります。実車展示コーナーには、世界に1台の1/1スケールミニ四駆 エアロアバンテ、6輪のF1マシンとして名を馳せたタイレル(ティレルではありません)P34、JPS ロータスFORD 91などが。その向こうにイエローボディのスバルR2(2st Engのほう)がチラ見えしているのがラブリーです。ショールームでは発売中のタミヤ製品を展示、それらのキットはタミヤショップで購入可能です。訪ねるたび、いつも思うのですが小3の頃の自分を連れて行ってあげたい場所です。
見学を終え駐車場に戻ったら、営業車とおぼしきクルマが。無塗装風ホワイトボディに、タミヤのデカールだけ貼ったかのよう。小3の自分が見たら、恐らくこれにもちょっと興奮したと思います
舟戸の番屋
伊豆東海岸の今井浜(静岡県賀茂郡河津町)の隣にある露天風呂が好きで、時々ツーリング途中に寄ります。これからの季節、オートバイで冷えた体をあたためると極楽です。冷えた体にはどんな湯も熱く感じます。そろりそろりと入り、しばらくつかって、まわりを見たりしながら湯加減を確かめます。ところが自分が行く平日午前中はいつもひとりきりで、湯加減がいまいちわかりにくい。10月に行った時は、湯が熱すぎて気がついたときは全身真っ赤に。先日はぬる過ぎて、湯から出られなくなりました。入浴後もオートバイで走るので、ぬるま湯地獄にハマると後が大変です。
晴れていれば、いつ行っても眺めは最高です。舟戸の番屋が管理していて入浴料は300円です
松葉でプハッ!
平日夕方の新幹線新大阪駅の構内は「なんか、フェス?」と思うような大変な人出。堅気の人々が素粒子のようにそれぞれの方向に足早に歩いています。時間に余裕があるときは混雑を避け在来線構内に避難し、座れる場所を探します。奥の串カツ店一隅にテーブル席を見つけ、ひと休み。席に届いたビールジョッキには、なんだか見覚えのあるロゴが……。
梅田地下道で60年以上営業を続け、大阪駅地下道拡幅工事のため(ちょっともめてから)立ち退いた「松葉」のロゴだ! 店名をさがせば『松葉総本店 エキマルシェ新大阪店』とあります。「松葉」は前述地下店がたしか数年前のNHK ドキュメント72時間にも取り上げられた、立ち食いの名店。ビールジョッキのグリーンのロゴに阪急古書店街の帰りにちょっと遠まわりして暖簾に入り、ビールでプハッとした学生の頃へ一瞬フラッシュバック! ……改めて、プハッ!
みかんとオートバイ
グランドホテル浜松にチェックイン、ルームキーのナンバーに導かれ10階に上がったら、吹き抜けの外周に客室が配されていました。これで噴水の音とバニラの香りがすれば、アメリカのコンベンションセンター併設ホテルですね。下を覗いたら、何やらバイクが展示されているみたいです。
翌朝のチェックアウト前にディスプレイ前まで行ったら、パールグレッシャーホワイトのボディもまばゆい隼(ハヤブサ GSX1300R)でした。さすが浜松! ホテルのアトリウムロビーにモンスターバイク展示、というのは、他ではなかなかあり得ません。今年6月のスズキ株主総会も、このホテルで開催されたようです。ちなみにこのシースルーエレベター、地元特産の三ケ日みかんをイメージしたとか。特産品は「みかんとオートバイです」と言えるのは、いいかんじです
続々 世の中はハミ出すほど広い
伊豆急下田駅(静岡県下田市)近くの『とんかつ 一(はじめ)』もハミ出しています。もはやハミ出しどころではなく、無尽蔵なのではと思えるほど。カウンターの中、御主人と女将さんは非情に攻撃的なツー トップ。客が食べているご飯、味噌汁、キャベツ、ケチャップあえスパゲッティのいずれかが残り半分になろうものなら、間髪入れずおかわりを仕掛けてきます。
ここには「お客さん、うちは初めて? 初めてだったらミックスフライ定食を食べてって。次からは好きなものにしてね」というルールがあり、このミックスフライ定食も大幅にハミ出しています。ヒレカツ、クリームコロッケ、メンチカツ、鶏唐揚げがワンプレートに盛られており、それはあたかも花火大会とかで出される3,4人前オードブルのよう。これを「箸を止めたらおしまいだ」とばかり、一気呵成にいただきつつ、カウンターの向こうから常に目を光らせているツー トップの攻撃もかわさなければいけないから、大変です。『とんかつ 一』のプレートにも、世の中の広さを教えられました。隣りの客がオーダーした牡蠣フライ定食のプレートには、筑豊ボタ山の石炭ほどに牡蠣フライが盛られていました
世の中はハミ出すほど広い
旅先では世の中の広さに、たびたび驚かされます。この丼が運ばれてきたときもそうでした。福井市に本店を置く『ヨーロッパ軒』の丸岡分店でいただきました。カツ丼、と注文したら、ごく当然のようにやって来ました。
ご飯の上に載っている3枚は、ソースのついたカツです。カツというよりウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel:ウィーンの名物料理たる仔牛のカツレツ)、もしくは骨のないコトレッタ アラ ミラネーゼ(Cotoletta alla Milanese:ミラノ風カツレツ)風でもありますが、最も近いのは(豚肉でもあるし)ドイツのシュバイネシュニッツェル(Schweineschnitzel)かも。そう思っていたら、初代ヨーロッパ軒主人はドイツで修業したとのこと。『ヨーロッパ軒』の店名も、それに由来するのだそうです。でも、福井でご飯の上に載ったちょっと和風なしつらえのシュバイネシュニッツェルを丼でいただく、というのはすごく感慨深い。世の中の広さが、丼の中にぎゅっと閉じ込められている気がします。ハミ出してるけど
伊勢のりもの博物館にて
クルマが作品になりつつある、というかもう作品ですね、これは。名車、軽三輪のマツダK360(T600?)が盆栽鉢と化しています。K360が生産終了となったのは、大阪万博が開催された昭和45(1970)年のこと。ですからもう50歳近いはず。その割には絶妙にボディが生きています。
伊勢のりもの博物館(三重県伊勢市)の野外スペースにありました。そこは北井誠也館長のオート三輪愛にあふれたパラダイス。日本全国に80館ほどある自動車・二輪車博物館の中で、トップクラスの純度を誇る〝愛の巣〟でした。それにしてもこの写真、正方形でもあり、'60~'70年代のフォークアルバムの紙ジャケ写(もちろんLP盤)のよう。そういえば北井館長、気が向けばフォークを唄うと、言っていたなぁ
こまち贔屓
たとえば東京から盛岡(岩手県)まで新幹線で行くとして、はやぶさとこまちが連結されていたら、どちらの車輌の席を選びますか? はやぶさの普通車は東海道新幹線と同じ3席+2席が横並びのレイアウト。それに対し、写真にあるようにこまちは横に2席+2席です。ミニ新幹線ゆえ車内幅もちょっと狭いのですが、自分はこまち贔屓。窓側席も心もちゆったりしていて、乗り心地も良好。何よりたいてい、はやぶさより空いています。
こまちといえばこの夏、ツーリング中のこと。国道46号線を秋田方面に向かっていて、たまたま右手に刺巻駅(さしまきえき)を見かけ、小休止。ひなびた単線区間の無人駅で、駅からはミズバショウが群生する湿原に至る歩道まで整備されていました。待合室に入れば「列車が来ます」との自動音声。どんな趣の車輌が来るんだろう、1両かな、2両かな、などと思っていたら7両編成のこまちがシャーン!と通過して行ったので、物凄く驚きました。ミニ新幹線とはいえ、東北新幹線区間では320km/hを出すこまちです。その長閑な風景と、朱色のロングノーズのギャップは凄まじく、呆然。たいへんいいものを拝見できたと、ややあってから嬉しくなりました
「杭全」「放出」「生玉表門」読めますか?
大阪市内には、ちょっとそうは読めない、という地名がトラップのように散りばめられています。気が抜けません。自分は学生の頃、配達のバイト中に「クマタを左や」と言われ杭全をクマタと読めず直進、その先の「百済(くだら)」でたぶんここだろう、と曲がって道に迷い、「なにをしとる?」と攻められたことがあります。
放出(はなてん)、喜連瓜破(きれうりわり)、住道矢田(すんじやた)とか、まったく読めず、一度聞いても納得できないのですぐ忘れました。いまだに不意を突かれると、不安です。最近見つけたクセモノは「生玉表門」。なんか台湾風だな、と思い写真を撮りました。谷町九丁目と上本町の駅が最寄りです。「いくたまおもてもん」と読むそうです。いくたまさん、と呼ばれている生國魂(いくくにたま)神社の表参道、ということですね。余談ですが(まあこのブログはすべて余談ですが)いくたまさん境内には崖縁占(がけっぷちうらない)があります。それもまた実に大阪らしい響きです
なつかしいくりはら田園鉄道
宮城県登米市の石越駅と栗原市の細倉マインパーク前駅までの25.7kmを結んでいたくりはら田園鉄道線。細倉鉱山からの銀や鉛の運び出しや、炭鉱労働者の通勤の足として活躍しましたが、1986年の細倉鉱山閉山により経営が悪化。'95年には設備の老朽化を受け電化を廃し、気動車(ディーゼルカー)運行に切り替え起死回生をはかりましたが経営は立て直せず、2007年に廃線となりました。かつて本社と車両基地があり、くりはら田園鉄道の拠点となっていた若柳駅は今も残っています。あたりは鉄道公園で、そこには『くりでんミュージアム』もあります。
写真左の車輌は、電鉄時代に活躍したM153形。1955年から40年間働き、今は若柳駅ホームにつけてもらったひさしの下で静養中です。2枚窓のフロントフェイスと昭和的流線型を醸す塗り分けがいいですね。単眼のヘッドライトから、幕のようなカーブを描く紺のアクセントにより小顔効果もバツグン。乗ったことはないけど、なつかしい