超立体じゅーしー
ゆいレール(沖縄県那覇市の那覇空港駅と浦添市のてだこ浦西駅を結ぶ沖縄都市モノレール線)を安里駅で降りると、スーパーマーケット『りうぼう』の駐車場入り口に『屋台そば駅前店』はあります。24時間営業の沖縄すば店。屋号はなかむら屋、だそうです。栄町市場に繰り出す際、何度か目にして気になっていたので、入ってみました。沖縄そばは600円で、ちゃんと美味しい。ビックリしたのは100円のじゅーしー(炊き込みご飯)おにぎりです。デフォルメしたみたいに、超立体化。奥行きが凄い。高校生のとき、同じクラスに高須という身長2mほどの生徒がいて、間違えて彼の下駄箱から革靴を出そうとしたら、引いても引いても先が見えずクラクラしたこと(後で聞いたら高須の靴は30cmオーバーの特注品とのことでした)を思い出しました。
以来、夜中や明け方に空腹にさいなまれた際、思い出すのは『屋台そば駅前店』。沖縄から遠く離れた空の下「パッと行けたら、行っちゃうだろうな」と思うと、より空腹感は(秋の森の静寂のように)深まります
メヒコ・タコスでエンバナーダーを
カリフォルニアに着いたらイン アンド アウト バーガー(In-N-Out Burger)より、パンダエキスプレス(Panda Express)より、まずタコベル(Taco Bell)を探す自分としては、沖縄のタコスにも強く惹かれます。写真は宜野湾市新城の『メヒコ・タコス』でいただいたタコス(右)とエンバナーダー(左)。
エンバナーダーは食べた瞬間、何の脈絡もなく1980年代後半にLA郊外のガソリンスタンドで見た古いダットサントラックを思い出しました。ガーデナー機材を荷台に満載し、盛大なバックファイアーとともに現れたのはボンネットのない320 ダッツントラック(1961-1965)。メキシカンのおじいさんドライバーと、そのトラックがとても似合っていて、暮れなずむなか一幅の絵のようでした。本当に脈略のない話ですみません。もちろん、エンバナーダーがとても美味かった、という話です
迷彩のハイ ヌーン
午前11時50分、鳥羽港を出港した伊勢湾フェリーは55分後、定刻通りに伊良湖港に到着。そこから太平洋を右手に国道42号線を浜松方面に向けて走り出しすぐに、燃料タンクがほぼ空なことを思い出しました。6kmほど走ったところにJAの伊良湖SSがあったので給油。写真は給油後に撮った一枚です。
手前の迷彩はトラックの荷台で、トラックはチェリオのルートカーでした。スタンド内の自販機へ、飲料補充に来たようです。チェリオのサバイバル飲料、ライフガードをイメージした迷彩柄ですね。かつてナゴヤ球場の外野に「世界の飲料 チェリオ」という大看板があったので、自分は長らくチェリオは名古屋の飲料メーカーだと思い込んでいたのですが、本社は京都にあるそうです。それにしても、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)作品のような景色。海辺に降り注ぐ日差しに、あらゆるものがパキパキに発色している正午過ぎでした
危険なぽっぽや
この夏、オートバイで北海道を走っていたときのこと。帯広から狩勝峠を越え、南富良野町に入り、国道38号線が右直角に曲がる手前に『← 鉄道員 ロケ地』の案内が。ちょっと休みたかったので、寄りました。映画で使った幌舞駅(本当は幾寅駅)が残っています。川越ナンバー、トリコロールのHONDA CBR250RRが停まっていたので「へえ、こんなピーキーなバイクで埼玉からか」と感心しながら駅舎に入ると自分と同年配の中高年ライダーが、木のベンチに座ってジャケットも脱がずに、おそらくエンドレスでモニターに流されているだろう映画『鉄道員』に観入っています。なんだか呆けたかんじで、顔からは表情が抜けており、とても話しかけられるかんじではありません。画面にはセーラー服の広末涼子が映っていました。
写真は、駅舎内に貼られていた、そのシーンのスチール写真です。その晩は滝川市内のホテルに泊まったのですが、ベッドでふと呆けたライダーの顔を思い出し、iPhoneのAmazonプライムで映画『鉄道員』を観たら。これがヤバい。ビールを飲んでいたこともあり、号泣&号泣。間髪おかず2回観て、3回目途中でこれはマズい、明日も走るし、と止めました。……疲れているとき、旅空の下での『鉄道員』は危険ですね。帰ってからこの話を奥さんにしたところ、しばらく事あるごと「そうだよ、お父さん、雪子だよ」と、とても雑に真似され、ちょっと踏みにじられています
あおい荒野ランチ
国道13号線を奥羽本線に沿って北上、秋田に入り湯沢を過ぎたあたりで正午に。それにしても暑い。熱風が容赦なく全身に当り、サウナのアトラクション(ロウリュとかアウフグースとか言われるアレです)のよう。右手に道の駅十文字があったのでオートバイをとめました。
入って左手がフードコート、右が農産物直売所。西瓜の試食に惹かれ右手に進むと、惣菜コーナーがありました。魅惑の品揃えです。迷いに迷って、写真の3点を購入。おにぎりは米がサイコー。サラダ寒天は初めて食べましたが、味わい深いものでした。茶碗蒸しよりうんとプリン寄りの甘い寒天のなかに、細かくカットされた野菜が浮いていて、独自の世界観(宇宙観?)があります。ずんだ団子は餡にちょっと歯応えがあり、これもサイコー。以前、今治(愛媛県)を取材中、地元の方に「じゃこ天(地魚のすり身を油で揚げたもの)は食べたときジャリっとしないと……。ツブしの粗いジャリッがない、歯応えなしの上品なのは、土産もんにはいいかもしれんが、美味くないわナ」と言ってましたが、ずんだも一緒です。久しぶりに豆のツブしの粗い、ジャリッ系のずんだを味わえとても幸福でした。外は熱風吹き荒れています。ライダーにとって盛夏の東北は、あおい荒野です
阪神高速の入道雲
いま時分、晴れた午後に阪神高速を走っているとよく入道雲が湧いています。下りよりも上りで見かけることが多い気がします。入道雲で思い出すのは学生の頃、2サイクル2気筒 360ccの三菱 ミニカに乗っていて激しい夕立に見舞われ、電気系のリークでプス、プスンと停まってしまった時のこと。路肩にギリギリまでミニカを寄せて、さあ、どうしよう? と思ったら「阿部商会」のロゴが入ったバンが停まり「ひっぱりましょか?」と有り難い申し出。次の出口まで牽引し、一緒に出てくれたうえ「このクルマ、自分も昔乗っとって、雨になるとよう停まったんです」と笑顔で教えてくれました。御礼を言うと「今度良かったらピレリのタイヤ履いてくださいね」と去っていきました。以降、愛車YAMAHA RZ250でPIRELLI MT29/28を何本履きつぶしたことか……。
写真は阪神高速3号神戸線で神戸を背に大阪方面に向かっている途中、芦屋ランプを過ぎ名神高速に入るあたりです。阪神甲子園球場のちょっと手前、右手が大阪湾ですね。たしかミニカが停まったのはこの手前、神戸寄りの芦屋出口のあたりだった気がします
夏のライディンググラブ
このだいぶ使い込んだライディンググラブは春夏秋用です。丈が軍手なみに短く、涼しくていいのですが、夏に1日走り回るとジャケット袖口との間の手首が、見事に日に焼けます。もう20年以上使っているので馴染んでいて着脱もスムーズ。革の香りももはやしません。
先日、ツーリング先で大雨に見舞われ、ホテルの部屋でこのグラブも乾かしました。手で絞りタオルに水を吸わせ、裏返したら「YAMAHA」のタグがあります。はて? かつてミニトレ(GT50)、TY50、RZ250に乗りましたが、YAMAHAのバイクは、もう35年以上所有していません。まさかその当時から、とは思えないし……なぜワイズギア? ……自分的には20年来、グリップスワニーだと思い込んでいたので、衝撃でした
37年後のPineapple
7月1日に海開きした材木座海岸(神奈川県鎌倉市)は、波荒く無ければ青旗はためき、ライフセーバーも心強い海水浴場となっています。海の家はまだ作りかけ。この前、海岸を散歩中に松田聖子のPineapple(1982年5月21日にリリースされた、5thアルバム)を聴いたら、ストン!と腑に落ちました。37年前、大学3回生の自分が初めて聴いたときは、すぐに気に入りましたがどこか、詞に絵空事感がありました。住んでいたのが大阪だったからだと思います。37年後の夏に材木座海岸で聴けば「そういうことか!」と、目から鱗がポロポロ。しかし悲しいかな、押しも押されぬもう初老です。
今年の鎌倉花火大会は7月10日(水)、材木座海岸 スイカ流しは28日(日)開催です。渚のバルコニーで、小麦色のマーメイドと、待ってます!(←願望。