あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

ふたたび荒野へ

おや、銘品ですね。オートバイで走っていて、昼に入った食堂。短冊で並んだメニューにさんざん翻弄され、結局はカツ丼。朝早く出てきたので腹は、減ったどころではなく、澄み切っています。地球に月があるように、丼にはお新香です。それがまたやけに美味。お新香が無くなると、小皿には朱書きで店の銘が。いや実に、雰囲気だなあ。
 テーブルの横には、あたりが早川雪洲生誕の地であることをまとめた、地元紙の切り抜きがセロテープで留めてあります。食後「ああ美味しかった、やれやれ」と脱力しながら読んでいたら、女将さんが「これでも飲んで」とグラスを置いていきました。円筒形小ぶりのタンブラーにシロップ入りのアイスコーヒー。アイスキューブがひとつ浮かんでいて、ミルクやスジャータ、フレッシュなどというヤワなものはありません。自分はそれをバーボン的にキュッとあおり、ふたたび荒野へと旅立ちました

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