あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

誰か来る!

ホテルや旅館の取材は、チェックアウトとチェックインの間が勝負。アウトが12時、インが15時の旅館だったりすると大変です。係の方が清掃とセッティングを終えたところから、現着した鑑識官ばりに写真を撮っていきます。それでも、ちょっと雲に隠れた日の光を待っていたりすると「いまお客様がフロントに到着されました! 3分以内に撤収してください」と急かされたり。海外でも、それは同様なのですが、海外ではそれに加えセレブリティの突然の来訪があり撤収!というパターンも。ドバイで写真のスパを撮影していたときもそうでした。誰が来たのかは教えてくれませんでしたがVIPが来るので即時撤収! とのこと。スパからホテルに伝いに外に出るのも基本バックヤード経由。ランドリールームや厨房を通り、VIPとは会わせないという徹底ぶりでした。
 その手の「誰か来た!」系の取材中断で、最も印象深かったのはハワイ島コナ国際空港(Kona International Airport at Keahole)での出来事です。プロペラ小型機教習所の搭乗取材終盤に、着陸許可がおり滑走路にアプローチしていたら管制塔から「待った!」が。プライベートジェットが着陸に割り込んだので待機せよ、とのことです。教官が誰のプライベートジェットなの? と聞いたら「Whitney Houston!」との応答。その時我々のセスナには4人が乗っていて皆ヘッドセットをしていたのですが、4人とも同時にため息をついたので、ちょっと盛り上がりました。ちなみにコナに降りたホイットニー ヒューストン機ですが、ドラッグ絡みのトラブルがあったようで、彼女は機外に出ることなくしばらく過ごし、結局そのまま離陸することに。コナ空港の片隅にぽつんと駐機していた彼女のジェットは、まるで函館空港のミグ25(МиГ-25:ベレンコ中尉亡命事件ですね)のように孤独でした

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