あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

Ducati XDiavel Sの深淵

ドゥカティDucati)のディアベル(DIAVEL)を初めて目の当たりにしたのは、2011年の東京モーターショーでのこと。ドゥカティブースではなく、メルセデスブースでした。その前年にドゥカティAMGは、共同マーケティングのためにパートナーシップを締結。ディアベルAMGスペシャルエディションが誕生したのです。その翌年(2012年)4月にアウディドゥカティを買収したため、あっけなくパートナーシップは解消。その後〝ディアベルAudi Sport スペシャルエディション〟の発売には至っていないようです。
 ああこれは、運慶だな、と初めて見たとき思いました。2008年にデビューした2代目YAMAHA VMAXを見たときもそう思ったのですが、ディアベルはイタリアンマシン。それながらフィレンツェのアカデミア美術館ミケランジェロ像の傍らよりも、奈良東大寺の南大門、金剛力士像の足元にあった方が断然合いそうです。乗ってもその印象は裏切られません。エンジンは5000rpmで最大トルクに達する、まさに力士タイプ。ドスドスドスと朝稽古のつっぱりのような怒濤の加速。それにも乗っているうちに慣れ、降りた瞬間ふとそのフォルムが目に入り「こんなマシンに乗っていたのか!」と改めて感動したり。でも例えばアクセルオフ時の回転マナーが良かったり、クルーザーながらライディングポジションが意外に武闘派で、コントローラブルだったりと、理系な側面も。情緒と衝動のみで押し切る文系ではなく、意外に理詰めでできています。乗りやすいか、乗りにくいかと問われれば後者ですが、それすら魅力。だからバイクはやめられまへん!

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