あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

椿の御所、桃の御所、桜の御所。

 三浦半島の三浦海岸から三崎に向かって東京湾を左手に走る神奈川県道215号線は、東京湾沿いにしては程よく風光明媚で適度に鄙(ひな)びている風でもあり、オートバイをよく走らせます。三崎に着くと城ヶ島大橋の下をくぐり、道は北条湾にぶつかるT字路となるのですが、その交差点手前右側に「椿の御所」という京急バスの停留所がありました。遠洋漁業の基地港として知られるミサキに、ずいぶん風情のある地名だな、と気になり調べたら源頼朝が三崎に建てた三御所のひとつとのこと。寵愛した妾、ありていにいえば愛人住まう別宅ですね。三崎には椿の御所の他に、桃の御所、桜の御所もあり、いずれもが現在、寺になっているとのこと。
 その三御所、まわってみました。「椿の御所」は、大椿寺と椿の御所幼稚園になっていて、境内には遊具もありにぎやか。「桃の御所」は鉄筋コンクリートづくりの見桃寺のあたりにあったそうでひっそりとしています。「桜の御所」は立派な本瑞寺となっており、その山門の眼下には城ヶ島が浮かんでいます。それにしても「本宅鎌倉、三崎に別宅」とは今でもありそうなロケーション。往復は馬だったのでしょうか、今ならオートバイだな。椿、桃、桜と、その花が咲く頃に滞在するという風流は今は昔の感がありますが、ありていにいえば男のロマンかも

f:id:takimasashi:20180621082658j:plain