あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

夜明け前、八戸市営魚菜小売市場にて

 八戸(はちのへ 青森県)市街から4kmほど海に向かい、新井田川(にいだがわ)を渡った先に八戸市営魚菜小売市場があります。その市場の奥にある『朝飯処 魚菜』が好きで、何度か雑誌で紹介しています。今回たずねたのは二玄社から刊行されていた頃のCAR GRAPHIC(カーグラフィック)連載記事のため、2009年の8月(掲載は同年10月号)に取材して以来。ほぼ10年ぶりですが、雰囲気は変わってません。市場は朝3時からで、一杯100円のご飯が炊き上がるのは午前5時頃。そのご飯と、市場内で買った刺身、焼魚、お惣菜などをテーブルに並べ、各自勝手にいただきます。
 椅子に座ったらまず、ほうじ茶の入ったポットの花柄に目を奪われました。電話がかかってくれば何年ぶりかに生で聴くベルの音! 道を挟んだ向こうにはJR八戸線陸奥湊駅(むつみなとえき)があるのですが、そこから響いてくる発射の合図もピキー!という汽笛風で、なんだか昭和一色です。長靴を履いた健さんとか寅さんとか、黒板五郎さんとかがふらり「しばれるね」と現れそう。ある意味異空間ですが、それにしても完璧です。ご飯も美味しかったけど、21世紀どころか平成アイテムすら全く見当たらない、高純度の昭和景色に深い感銘を受けました、ご馳走様でした

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