天ぷら、割りますか？

　思い出の麺シリーズ、第3弾は富士吉田市（山梨県）『麺許皆伝』の肉てんぷらうどんです。あの硬いことで有名な吉田のうどんです。コシがある、とは麺への場合褒め言葉ですが、吉田のうどんの場合「コシしかない！」ことも。ほうとうの血が混じっている気もします。
　『麺許皆伝』はそんな吉田うどんの人気店で、平日でも11時過ぎから入店待ちの列ができることが。自分はここ数年、思い立ってはオートバイで訪ねています。左の丼が肉うどんで、馬肉がメジャーの吉田うどんには珍しい牛肉。右の皿が天ぷらで、地域一番の大きさともいわれています。博多うどんにごぼ天がありますが、こちりらはごぼうのかき揚げ。最初に注文したとき「天ぷら、割りますか？」と聞かれ、戸惑いました。普通の天ぷらがB（鉛筆芯の硬度換算）だとしたら、ここのは2Hぐらいで、パキパキいけます。オートバイで早朝から午前中をタフに過ごした昼ご飯にピッタリで、うどんを噛み砕くうち、午後へのファイトがふつふつ湧いてきます