あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

甘夏、あります

軽トラ市をご存知でしょうか? 軽トラックをほとんど見かけない首都圏では馴染みがありませんが、その荷台を店舗に見立てた朝市のこと。農業、漁業に携わる方のほとんどが日常の足として使っている軽トラ荷台に商品を並べ、生産者が自ら直売。そのディスプレイを競い合う感もあり、また産地直送感もハンパなくあります。陳列、撤収も手軽だし、なにより荷台の高さが商品を並べるのに丁度いい。ほとんどが白い軽トラの並びに、たまにブルーのマツダ ポーターキャブが混じっていたりして「おお頑張ってるなあ、たしかキミは2気筒エンジンだったよね」などと感慨に耽るのも軽トラ市の密やかな楽しみです。
 写真は由比さくらえびまつり(静岡県静岡市清水区)開催中の旧市街で見かけた甘夏売りの軽トラック。荷台とアオリの間にいけられた蜜柑の花がいいですね。甘夏を試食した後に拭うためでしょうか、右手にティッシュがありますが、そのケースが図らずも仏壇感を演出しています。これは一人(一台?)軽トラ市ですね。こうして見ると軽トラックはもはや、澁澤敬三言うところの〝民具〟の域にある気がします

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