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あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

何しろローマは狼の子によって

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』以来のコーエン兄弟監督作品ということもあり、期待に胸ふくらませ『ヘイル、シーザー!(Hail, Caesar!)』を観ました。設定は、1950年代のハリウッド。あるメジャースタジオの命運を賭けた超大作映画〝ヘイル、シーザー!〟の撮影中の出来事を散りばめた群像劇でしたが、主人公演ずるジョージ・クルーニーの劇中劇の台詞に「何しろローマは狼の子によって作られたのだから」とあり、以前見たトロフィーを思い出しました。狼の子云々とは、ローマ建国を成し遂げたロムルス、レムス兄弟の伝説をさしています。幼い兄弟は祖父を殺し王位を奪ったアムリウスによってチベル河に流されましたが、一匹の雌狼に助けられ、その乳を飲んで命を取り留めます。後に羊飼いに育てられ成人した兄弟は、祖父の仇を討ちローマを統一したのです。
 イタリアのマントヴァ(Mantova)で往年の名レーサー、タツィオ・ジョルジョ・ヌヴォラーリ(Tazio Giorgio Nuvolari)のミュージアムを訪ねた際、館内の一等地にこの〝双子の幼児に乳を飲ませる雌狼象〟があったのです。プレートを見れば、1927年のローマGPの銘が。優勝トロフィーというより、作品に近い。しばらく見とれてしまったほどです。ここで生まれ「空飛ぶマントヴァ人」(Il Mantovano Volente - Flying Mantovan )と称されたヌヴォラーリは、数々の伝説をつくった野性味たっぷりのレーサーだったとのこと。写真を見ると、フェリーニ監督の名作『道 La Strada 1954 伊』の中でアンソニー・クインが演じた、ザンパノにちょっと似てました

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