あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

夜間飛行

 もう少しで午後11時になる頃、飛行機は羽田空港へ下降。窓からは東京湾に停泊する船舶の灯が夜光虫のように見えます。夜間飛行といえばサン=テグジュペリ(Antoine Marie Jean-Baptiste Roger de Saint-Exupéry)の小説のタイトルですが、自分的には、ちあきなおみが1973年リリースした夜間飛行の方がしっくりきます。闇に向かって飛び立つ男気よりも、眼下の街の灯に逡巡する女心、でしょうか。たしかちあきなおみ版夜間飛行では曲間にオルリー空港に向かっていることを告げる仏語の機内アナウンスも流れていました。傷心の女がひとりパリに向かっている感があり、旅情でしたね。曲間にアナウンスが入るのは当時の歌謡曲の流行りで、青江三奈の国際線待合室(名曲ですね)でも、アテンションプリーズ~、と入るのがカッコ良かった。FM番組、JET STREAM城達也も、夜間飛行のお供をするパイロットという設定だったなぁ。
 高度と反比例して、地上でのあれやこれのリアルが増していきます。無事着陸しゲートに向かう頃には、そういえば川崎日航ホテルのバーラウンジも夜間飛行だったな、多岐川裕美の写真集も……、とほぼ煩悩100パーです

f:id:takimasashi:20190313085926j:plain