あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

危険なぽっぽや

 この夏、オートバイで北海道を走っていたときのこと。帯広から狩勝峠を越え、南富良野町に入り、国道38号線が右直角に曲がる手前に『← 鉄道員 ロケ地』の案内が。ちょっと休みたかったので、寄りました。映画で使った幌舞駅(本当は幾寅駅)が残っています。川越ナンバー、トリコロールのHONDA CBR250RRが停まっていたので「へえ、こんなピーキーなバイクで埼玉からか」と感心しながら駅舎に入ると自分と同年配の中高年ライダーが、木のベンチに座ってジャケットも脱がずに、おそらくエンドレスでモニターに流されているだろう映画『鉄道員』に観入っています。なんだか呆けたかんじで、顔からは表情が抜けており、とても話しかけられるかんじではありません。画面にはセーラー服の広末涼子が映っていました。
 写真は、駅舎内に貼られていた、そのシーンのスチール写真です。その晩は滝川市内のホテルに泊まったのですが、ベッドでふと呆けたライダーの顔を思い出し、iPhoneAmazonプライムで映画『鉄道員』を観たら。これがヤバい。ビールを飲んでいたこともあり、号泣&号泣。間髪おかず2回観て、3回目途中でこれはマズい、明日も走るし、と止めました。……疲れているとき、旅空の下での『鉄道員』は危険ですね。帰ってからこの話を奥さんにしたところ、しばらく事あるごと「そうだよ、お父さん、雪子だよ」と、とても雑に真似され、ちょっと踏みにじられています

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