あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

海が見えた。海が見える

広島県尾道市の『ONOMICHI U2(オノミチ ユーツー)』の中にある、『HOTEL CYCLE(ホテル サイクル)』のエントランスに名和晃平作品が。タイトルは『Molecular Cycle(モルキュラーサイクル)』で、尾道の坂道を登り、瀬戸内海の波にも乗るサイクリストをイメージしているとか。名和晃平作品とホテルといえば『HOTEL ANTEROOM KYOTO(ホテル アンテルーム 京都)』が思い浮かびますが、尾道にもあったんですね。
 それにしても尾道はいい町です。なぜか尾道水道に強く心惹かれます。我が心の一週間ぐらい滞在したい町ランキングにおいて、ここ数年、第一位をキープし続けています

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ハートの魔法

竹田津港(大分県国東市)でスオーナダフェリーを降りたら、のどかな景色を切り裂きこんなバスが! 控えめにいっても物凄い違和感です。このラッピング、豊後高田市の海岸線を走る風光明媚な国道213号沿いにロマンティックなスポットがたくさんある(地元調べ)ことから、そのルートを“恋がかなう道”「恋叶(こいかな)ロード」としたことに由来するもの。大交北部バス株式会社が運行している路線バスに、「ハートの魔法」をテーマに施されたものだそうです。
 ひとり「オースティンパワーズか!」とツッコんでみました。ポップです。シュールですらあります。地元の足であるバスに、否応なく施した点も実にナイスです

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渡辺!

週末の博多の宿がなかなかとれず、初めてのホテルに。クルマをタワーパーキングに入れ、裏口からチェックイン。さて晩ご飯、と表通りに出たらいきなり彼女と目が合いました。圧を感じつつよく見れば、それは『渡辺通一丁目』バス停のビルボード
 渡辺つながりかなるほど! と、なんとなく腑に落ちました

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ツバメ

中国自動車道 本郷パーキングエリア(広島県安芸高田市美土里町)のトイレ扉にこんなメッセージが。トイレで糞をしたいツバメ vs.ツバメにトイレを使わせたくない管理者、ということでしょうか? まあ、鳥インフル問題もあるし、ちょっと糞はねえ、というのは理解できますが、それにしてもなんかおかしい。
 広島以南では、もうツバメが飛び始めています

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すのこ!

福山市広島県)のファミマでトイレに入ったら、壁に小さなすのこが。親切だなあ。幸か不幸か自分はストッキング未着用なので、トイレでストッキングを履き替えるということが、よくあるのことなのかわかりません。しかしそのファミマ、割と郊外にあり、周囲ではストッキングの足を露出されている方を、全く見かけませんでした。
 すごく親切なのはわかるけど、善意をかんじるけど、謎です!

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ツインアーチ138

愛知県一宮市木曽川沿いには国営木曽三川公園があって、そこは桜の名所です。それは見事な桜並木で来週の日曜日、4月9日までさくら祭りを開催中。全国に17しかない、国営公園国土交通大臣が設置し国が維持管理を行う都市公園)のひとつだそうで、公園内にはツインアーチ138と名付けられた、高さ138メートルの展望タワーがあります。これがもう、ものすごい違和感。ロサンゼルス国際空港の、レストラン エンカウンター(Encounter Restaurant)が入るツインアーチタワーを思い出しました。でもエンカウンターは、空港の近未来的ファンクションの象徴として、景観的機能を果たしている気がしますが、ここは思い切りのどかなの田園に何の脈略もなく未来!です。
 初めて視界に入った時は目が驚きましたが、なぜか満開の桜越しに眺めると、絵になるから不思議です。桜、ビジュアル的には結構なやり手だと気づかされました

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カウンタックはクセがすごいんじゃ!

ランボルギーニ カウンタック(Lamborghini Countach)です。やっぱりいいなあ。カーデザインに予言があるとしたら、まさにこれです。予言者の名はマルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini)。ドイツ、ヴォルフスブルクWolfsburg)にある、フォルクスワーゲンVolkswagen / VW)設立の自動車博物館と遊園地、アウトシュタット(Autostadt)に展示されていました。
 カウンタックは1999年にアウディAudi)傘下となり、VWグループの一員に。それゆえの展示でしたが、居並ぶドイツ風の端正なモデルの中で、一際のオーラを放っていました。千鳥風にいえば「クセがすごいんじゃ!」。傍らの美女もちょっと'70Sルックで、いいかんじっス!

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敬意をこめてタコ

江ノ島(神奈川県藤沢市)を名乗る駅がいくつあるかご存知ですか? 江ノ電江ノ島駅小田急片瀬江ノ島駅、そして湘南モノレール湘南江の島駅と、三つあります。それぞれが適度に離れていて、こざかしい相互乗り入れなどとは一切無縁。まあ、キャラが違いすぎるので、将来的にも直通運転とか無理そうですね。
 写真はそのなかでも(たぶん、最も)マイナーな、湘南江の島駅、階段に壁面にあった絵です。湘南学園中学・高等学校 美術部による作品で、タイトルは〝OCTOPUS ~先輩へのHOMAGE~〟とのこと。いやあ、なんだかこみいってるなぁ!

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春はドラえもん

海岸でアンパンマンドラえもんに会うようになると、春が来た気がします。冬の風吹く砂浜に描かれるのは、せいぜい相合い傘(いまでもビーチでは結構ポピュラーです)ぐらい。風おさまり日差し暖かく水温む頃になると、描く余裕が生まれるのか、いろんなキャラに遭遇します。ちょっと前まではピカチューが全盛でしたが、逗子海岸や鎌倉の材木座海岸における現在の人気ツートップは、断然アンパンマンドラえもん。これはもう不動の人気ですね。ただアンパンマンは、ドキンちゃんカレーパンマンしょくぱんまんなど仲間達もよく描かれていますが、ドラえもんの場合は、ほぼのび太ジャイアンが(もちろん神成さんやジャイ子も)描かれていることはありません。
 写真は昨日、材木座海岸で会ったドラえもん。思いついた瞬間、枝先をザザッとふるた感じが、味わい深い。利休的無作為の作為というか、無作為の美を宿しています。髭脇から口へと流れる筆遣いには、無作為の景色があるなあ。いい仕事されましたね

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「由比ヶ浜」ではなく「由比ヶはま」

江ノ電でいえば長谷駅極楽寺駅の間、地名でいえば鎌倉市坂ノ下の星の井通りに『力餅屋』はあります。鎌倉権五郎(かまくらごんごろう)をまつった御霊神社(ごりょうじんじゃ)門前の老舗で、権五郎力餅が名物。伊勢の赤福餅にも似た、素朴な美味で人気です。包装紙を解くと「登録商標 鎌倉名物 権五郎力餅 由緒」があり、それをひっくり返すとこんな絵地図が。
 力餅をいただきながら(餅は春のよもぎ餅になっていました)絵地図の子細を眺めれば、過去へタイムトリップしている気に。至福のひとときですね。「由比ヶ浜」ではなく「由比ヶはま」というのが、いいなあf:id:takimasashi:20170316121447j:plain

 

なごり雪

青森に着いてホテルにチェックインし、夕飯を食べに出たときは晴れていました。夕焼けがきれいでした。食事を終えホテルに戻ろうと店を出たら雪です。ホテルに戻るタクシーのドライバーに「だいたいここらは、GW前まではスタッドレス(タイヤ)ですね」と教えられました。
 突然の雪よりも、その雪に誰も驚いていないことが旅情です。1955年に公開されたキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)主演の映画『旅情』の原題はサマータイム(Summertime)ですが、旅情は夏だけのものではありませんね。移動によって季節が進んだり戻ったり。そのズレの断面に、日本の旅情が宿る気がします

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安楽椅子

群馬県谷川温泉の旅館にあった籐椅子です。浴衣で座れば窓の向こうに谷川岳が。湯上がりにこれほどふさわしい椅子、ちょっと見当たりません。以前の畳や板の間で構成された家には大抵籐椅子があり、お年寄りが腰掛けていると実に絵になりました、冬には座布団や毛布、膝掛け等を合わせ、ソファー風になったり。そういえば安楽椅子、という言葉もあったなあ。

 3年前に富士スピードウェイで開催されたVWフェスト2014で、初めてワイヤーフレームボディーのVWビートルを見たのですが、あれは籐椅子ならぬ〝籐車〟のようでした。白いスチール製ワイヤーフレームで唐草模様に編み込まれたそれは、まるでVWビートルの骨格標本のよう。メキシコオリンピック(1968年)セレモニーのためにVWメキシコが、タイプ1ビートルをベースにつくったモデルのレプリカ、とのことでした。次回のオリンピックセレモニーでは是非、籐で編まれたプリウスを見たいものです。それにしても、こういう椅子に強く心惹かれるとは、そういうお年頃になったということなのだろうなあ

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旅のトランジスタラジオ

ツーリング中、テント泊となった夜のみAMラジオを聴きます。テントを設営する場所はAM波しか入らない山間が多いから、自然そうなります。化繊特有のケミカルな香り漂うテントの中でひとり、遠いどこかで開催されているナイターを聴いたり、全く知らない中古車センターのCMを聴いたり。いつの間にか寝入り、雨がフライシートを打つくぐもった音で目覚めた深夜、ひどく懐かしい気に。かけっぱなしのラジオからやけにクッキリとした音で「逢いたくて逢いたくて」(園まり)が流れていたからでした。
 写真はその翌朝、撮ったもの。ああ、またツーリングに出かけたくなってきました

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移動こそ善である

1950年代に登場したシボレー コルベット(Chevrolet Corvette)のコックピットです。オープンエアモータリングを満喫できるアメリカンプレステージスポーツカーとして誕生。ボートのようでもあり、宇宙船のようでもあり、デザインに華というより夢がありますね。アメリカは生善説ならぬ、移動善説の国であり、アメリカ車の魅力もそこに由来しているようです。移動は善なり、とアメリカ車はささやき、誘います。日本はどちらかというと農耕系移動悪説がマジョリティですね。いつしかアメリカ車は、尊大で過剰なものとされてしまったのも、実は移動善説がうとましいから、かもしれません。1982年に公開された映画「蒲田行進曲」の中に、売出し中の映画俳優、倉岡銀四郎の愛車として'70年代中期のモデルとおぼしきキャデラック フリードウッド ブロアム エレガンス(CADILLAC FLEETWOOD BROUGHAM ELEGANCE)が登場します。ボディ全体に王将駒が散りばめられたそれを運転する銀四郎、銀ちゃんの運転は滅茶苦茶で、「バッキャロ、キャデラックに免許がいるかよ!」との名台詞も。
 日本におけるアメリカ車のイメージは、この頃とあまり大差ないかもしれません。本当はかなりアップ トゥ デイトされているのですが、根底にある移動善説が受け入れ難いため、難癖をつけられているようにも思えます。移動善説支持者たる自分にとってアメリカ車は、今も夢のクルマです

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1300ccの白バイ

右側に一本だけのマフラーとテールランプの形状からするとこの白バイ、HONDA CB1300Pですね。HONDA VFR800Pが排ガス規制強化で生産中止となったので、今や白バイといえばCB1300Pです。それにしてもVFRが搭載していたホンダのV4エンジンは名機でした。自分が初めて乗ったのは1980年代のこと。VFR750F(RC24)でしたが、独特のトルク感、鼓動感があり、大層速かった。でもなぜかあまり人気が無かったなぁ。

 それにしてもクルマはダウンサイジング エンジン全盛なのに、白バイが1300ccとはねぇ……。そのうち、白バイも〝125ccターボ〟とかになるかも。あ、それだと自動車専用道とかに入れない! 二輪を排気量で区分、差別する制度は、もうそろそろ見直す時期にあるようです

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