あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

塩尻峠のモワルー オ ショコラ

 その日はツーリングの最終日で国道19号線に入ったのは夕方でした。恵那市岐阜県)に入ったところで日が山に落ち、気温がみるみる下がります。気まぐれに現れる国道沿い温度表示は6℃、4℃、3℃と落ちていき、塩尻(長野県)手前で0℃に。震えが止まりません。塩尻峠に入れば-2℃。ついに氷点下です。峠を下ったところ右手にガストがあったので、ほっとしてバイクを停めました。
 まずオーダーしたのは担々麺とドリア。温まりそうという理由のみのチョイスです。ヤケドに気をつけながら二皿たいらげ、まだ心底が寒かったのでモワール ショコラ(Moelleux au chocolat)をオーダー。柔らかいチョコレートケーキですね。やがてテーブルにやってきたそれをフォークで割れば、中から暖かいチョコレートが流出。これはどちらかといえばフォンダン オ ショコラ(fondant au chocolat) ではなかろうか? などと心中ひそかに思いつつただけば、その美味しいこと! 実は担々麺もドリアも「暖かい!」「熱い!」が「旨い!」を上回る歓びで、それゆえ味は覚えていませんが、アメリカンコーヒーといただいたショコラは絶品でした。氷結していた味覚が溶けて開き、モノクローム的だった味がいきなりフルカラーになったよう。あんなに美味しいモワルー オ ショコラにはもう二度と会えないかもしれません。氷点下の塩尻峠を越えるミッドナイトライダーは、是非。魂までフリーズドライ化してしまった夜は、ガスト岡谷インター店の「モワール ショコラ」がお勧めです

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