あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

急行 高千穂・桜島

 京都鉄道博物館のトワイライトプラザにたたずむ、ちょっと流線型なEF58。この150号機は東京芝浦電機製電気機関車で、1959年生まれだから自分より年上です。EF58で自分が思い出すのは『急行 高千穂・桜島』です。東京駅と西鹿児島駅を往復する客車急行で、門司駅鹿児島本線経由の『桜島』と、日豊本線経由の『高千穂』とに分かれ、ともに終着駅は西鹿児島。10:00 東京発で、『桜島』は翌日の11:43、『高千穂』は同14:20 西鹿児島着です。よりロングランな『高千穂』は1574.2kmを、28時間20分をかけて走っていました。
 その『急行 高千穂・桜島』を東海道線内で牽引していたのが、このEF58です。当時の自分の最寄り駅だった静岡には下りが12:48、上りが13:18に停車するので、時々眺めに行っては「いつかはこれで西鹿児島まで……」と夢見ていました。ブルートレインのようなヘッドマークもなく地味でしたが、そこも「シブイし」と気に入っていました。ところが中1終わりの3月、運行終了になると知ります。失意のなか「乗っておかないと」と、学校をサボり浜松まで1時間ほど乗車。平日昼は乗客もまばらで、横を東海道新幹線が駆け抜けて行きます。それでもガタガタ揺れる木目ニス塗りの車内には煙草のそれとともに自由の臭いも立ちこめていて、中一の自分はゴキゲンでした

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