あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

温根別給油所にて

 朱鞠内湖(北海道雨竜郡幌加内町)湖畔でテント泊した翌朝の話です。荷物をまとめ国道275号線を南下。天気は晴朗で風心地良くバイクも快調、申し分ありません。が、ちょっと不安が。昨日名寄でガソリンを入れ忘れたからです。タンク容量6リットル強の自分のバイクの無給油走行距離は180~210km程。トリップメーターはもう既に170kmを超えているのに、ガソリンスタンドの気配はなく、というか人家や人の気配なく、スマホの電波もありません。最寄りスタンド検索もできず、ついにエンジンが咳き込み始めました、山中路肩に寄せ、携行缶から1リットル弱を注ぎます。その間国道にはクルマ一台走って来ませんでした。これでもう手持ちの札はありません。
 道はやがて国道275号線国道239号線の分岐となり、多いに迷いましたが、なんとなく左折して国道239号線へ。その先に道端ぽつんと給油機が! 無人でしたが給油機に貼られた告知に安心し、なんだかアメリカ西部田舎町のジェネラルストアみたいだなあ、やれやれ、としばし感慨に。ふと気づけば後ろにJAの制服を纏った女性が立っていて、目が合うとニコッと笑顔に。その彼女の笑顔に張り詰めていた緊張が解け、というか裂け、涙が出そうになりました

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