あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

迷っています、悩みます。

 夏好きの自分としては日に日に寒さが増し、日が短くなるいま時分がちょっとツライのですが、反面いいこともあります。写真は小笠原 父島 二見港の桟橋ではなく、三浦半島の南端、城ヶ島(神奈川県三浦市)で撮りました。対岸は三崎港、すぐ横に26年ぶりに新造された神奈川県漁業取締船 たちばなが係留されている桟橋の先端です。どんより淀んでいることが多いのですが、初冬快晴のその日は、どういう潮の入れ替わりかはっきり海底が(投棄自転車まで)見え、片口鰯の群れが行き交っていました。
 澄んだ青い海に冬到来を実感。すぐそばの城ヶ島漁協直売所の食堂で心太(ところてん)を食べようか、冷えそうだからやめておこうか、鰯を見ながら迷っています、悩みます

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五十鈴とISUZU

 奈良の天河神社天河大弁財天社 奈良県吉野郡天川村坪内)へ行くと、古来より伝わる独自の神器、五十鈴(いすず)のちょっとSFっぽい造形に驚かされます。参拝後、境内周辺を散歩していたら、裏手すぐの材木店軒下にいすゞエルフ トラックが駐められていました。ISUZUのロゴデザインから察するに、1990~'93年に生産された4台目ELFの後期型かも。SITECのエンブレムも凜々しく、OHCディーゼルエンジン搭載を誇っています。たしかカスタムでは、ファーゴ、アスカ、ビッグホーンの上級グレードと共通の赤モケット内装も選べたはず。それにしても25年以上稼働しているトラックとは思えないほど美しい。あたりは吉野杉の本場ですから、ご商売柄かなり使い込まれていると思うのですが……。
 と、感心した後「あ、五十鈴だ!」といまさらながら気がつきました。天河神社の象徴的神器にちなんで「ISUZU」を選び、神器なみに大切にしているとか……。五十鈴とISUZU、偶然ではない気がします。想像が膨らみます

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動物園前駅×男の美学

 御堂筋線堺筋線が交差する動物園前駅(大阪府大阪市西成区)で大阪メトロを降り、飛田本通商店街のアーケードを歩いていたら、壁面にこんなメッセージが。
 書体、Q数、レイアウトともに見事です。20を二十と書かなかったところがセンスですね。短文に「男」が4回も出てきます。大阪好きには、何の予習もせずに動物園前駅で降り気の向くまま地上に出て、あてどなく彷徨うのがおススメです。そこで今日もリアル大阪があなたを待っています

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このバスは三崎口駅発 城ヶ島行き

 城ヶ島(神奈川県三浦市三崎町城ヶ島)へは、京浜久里浜線の終着駅、三崎口駅から京急バスで行くことができます。その城ヶ島停留所一角に、この自動販売機はありました。お金を投入すると「いつも京浜急行バスをご利用くださいましてありがとうございます」とアナウンス。コーヒーを選びボタンを押すと「このバスは三崎口駅発 城ヶ島行きです」と再びアナウンス。
 よく見れば、上部行き先表示が「城ヶ島」となっていました。側面にタイヤがありますが、高さの割に前後町が短いためすごく不安定な印象。今にも前のめりに倒れてきそう。ヘッドライトまわりの妙に緻密なタッチも気になります。設置されているのが横浜トリエンナーレの会場で、実は時間を描くネオ漫画家、横山裕一作品だと説明されたら「なるほど!」と、納得しそうです

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生マグロの至福

 オートバイで走り続けていると、腹は空いているのに、何か食べるのがとても面倒に思えてくることが多々あります。バイクをとめ、グローブをとりヘルメットを外しジャケットを脱ぎ、財布を持って知らない店に入り、知らない人々に囲まれてひとり食事をするのが、とてつもなく億劫です。だったら、走り続けよう。雨ともなるとなおさらで、秋に和歌山を走っていたときもそうでした。朝食を五條(奈良県)のコンビニで済ませ、昼食抜きで那智勝浦(和歌山県)で走り、雨のなか港のホテルへ。脱いだレインウエアを部屋に干し荷をを解くと、猛烈な空腹感の逆襲にあいフラフラと外へ。鮪(まぐろ)の湯、という足湯の傍らにある勝浦漁港にぎわい市場に入ったら、生マグロとサンマ寿司を売っていたので迷わず手にして、一目散にテラス席へ。
 いつの間にか雨は上がっていました。改めて見れば、マグロの切り幅が豪快で、いかにも那智勝浦。係留された延縄漁船、宮崎県門川町からおいでの第八長久丸に敬意を表しそのお尻を眺めつつ、いただきます!……ああ、美味しゅうございました

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路地裏だより

 「路地裏の名店」が慣用句となり「路地裏、なのに名店」がいつしか「路地裏、イコール名店」に替わった感があります。まあ、地代の高い首都圏の表通りには利益率高めの店が居並ぶこととなり、ある程度の真理でもあるのですが。
 首都圏を離れひょんな路地裏を歩いていると、ここは夜寄ってみたいなあ、と思う店に出会うことがあります。ホルモン焼『松竹』もそうでした。人の気配はありませんが店先、七輪の上に置かれたアルマイト鍋からは一筋の湯気がおだやかに上がっています。少なくともここ十年は見ていなかった、昭和な景色。つい2週間程前の写真ですが、撮った自分でさえ、なんだかそうは思えません

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田宮、タミヤ、TAMIYA!

 プラモデルのメジャーメーカー、タミヤの本社(静岡市駿河区恩田原)には事前申込制(当日受付不可)の歴史館、実車展示コーナー、ショールーム、オフィシャルショップがあります。歴史館には初期の木製模型からはじまる、これでもか! というほどのタミヤコレクションが一堂に。さながらタミヤの海で、すぐ溺れそうになります。実車展示コーナーには、世界に1台の1/1スケールミニ四駆 エアロアバンテ、6輪のF1マシンとして名を馳せたタイレルティレルではありません)P34、JPS ロータスFORD 91などが。その向こうにイエローボディのスバルR2(2st Engのほう)がチラ見えしているのがラブリーです。ショールームでは発売中のタミヤ製品を展示、それらのキットはタミヤショップで購入可能です。訪ねるたび、いつも思うのですが小3の頃の自分を連れて行ってあげたい場所です。
 見学を終え駐車場に戻ったら、営業車とおぼしきクルマが。無塗装風ホワイトボディに、タミヤデカールだけ貼ったかのよう。小3の自分が見たら、恐らくこれにもちょっと興奮したと思います

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舟戸の番屋

 伊豆東海岸の今井浜(静岡県賀茂郡河津町)の隣にある露天風呂が好きで、時々ツーリング途中に寄ります。これからの季節、オートバイで冷えた体をあたためると極楽です。冷えた体にはどんな湯も熱く感じます。そろりそろりと入り、しばらくつかって、まわりを見たりしながら湯加減を確かめます。ところが自分が行く平日午前中はいつもひとりきりで、湯加減がいまいちわかりにくい。10月に行った時は、湯が熱すぎて気がついたときは全身真っ赤に。先日はぬる過ぎて、湯から出られなくなりました。入浴後もオートバイで走るので、ぬるま湯地獄にハマると後が大変です。
 晴れていれば、いつ行っても眺めは最高です。舟戸の番屋が管理していて入浴料は300円です

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松葉でプハッ!

 平日夕方の新幹線新大阪駅の構内は「なんか、フェス?」と思うような大変な人出。堅気の人々が素粒子のようにそれぞれの方向に足早に歩いています。時間に余裕があるときは混雑を避け在来線構内に避難し、座れる場所を探します。奥の串カツ店一隅にテーブル席を見つけ、ひと休み。席に届いたビールジョッキには、なんだか見覚えのあるロゴが……。
 梅田地下道で60年以上営業を続け、大阪駅地下道拡幅工事のため(ちょっともめてから)立ち退いた「松葉」のロゴだ! 店名をさがせば『松葉総本店 エキマルシェ新大阪店』とあります。「松葉」は前述地下店がたしか数年前のNHK ドキュメント72時間にも取り上げられた、立ち食いの名店。ビールジョッキのグリーンのロゴに阪急古書店街の帰りにちょっと遠まわりして暖簾に入り、ビールでプハッとした学生の頃へ一瞬フラッシュバック! ……改めて、プハッ!

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佐野SAのUDコンドル

 左の救急車はTOYOTAエスティマ。右のトラックは初代UD(日産ディーゼル工業)コンドルですね。エスティマ救急車の実車は見た覚えがありませんが、UDコンドルは実に懐かしい。
 東北自動車道を北に向かい、佐野サービスエリアで休憩。食堂のテラスに置かれていた木製の台の上の景色です。訪れた子供たちのための、ミニマムな遊び場なのでしょう。ともに風雪に耐え、風格すら帯びており、もちろんまだまだ現役。おつかれッす!

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みかんとオートバイ

 グランドホテル浜松にチェックイン、ルームキーのナンバーに導かれ10階に上がったら、吹き抜けの外周に客室が配されていました。これで噴水の音とバニラの香りがすれば、アメリカのコンベンションセンター併設ホテルですね。下を覗いたら、何やらバイクが展示されているみたいです。
 翌朝のチェックアウト前にディスプレイ前まで行ったら、パールグレッシャーホワイトのボディもまばゆい隼(ハヤブサ GSX1300R)でした。さすが浜松! ホテルのアトリウムロビーにモンスターバイク展示、というのは、他ではなかなかあり得ません。今年6月のスズキ株主総会も、このホテルで開催されたようです。ちなみにこのシースルーエレベター、地元特産の三ケ日みかんをイメージしたとか。特産品は「みかんとオートバイです」と言えるのは、いいかんじです

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続々 世の中はハミ出すほど広い

 伊豆急下田駅静岡県下田市)近くの『とんかつ 一(はじめ)』もハミ出しています。もはやハミ出しどころではなく、無尽蔵なのではと思えるほど。カウンターの中、御主人と女将さんは非情に攻撃的なツー トップ。客が食べているご飯、味噌汁、キャベツ、ケチャップあえスパゲッティのいずれかが残り半分になろうものなら、間髪入れずおかわりを仕掛けてきます。

 ここには「お客さん、うちは初めて? 初めてだったらミックスフライ定食を食べてって。次からは好きなものにしてね」というルールがあり、このミックスフライ定食も大幅にハミ出しています。ヒレカツ、クリームコロッケ、メンチカツ、鶏唐揚げがワンプレートに盛られており、それはあたかも花火大会とかで出される3,4人前オードブルのよう。これを「箸を止めたらおしまいだ」とばかり、一気呵成にいただきつつ、カウンターの向こうから常に目を光らせているツー トップの攻撃もかわさなければいけないから、大変です。『とんかつ 一』のプレートにも、世の中の広さを教えられました。隣りの客がオーダーした牡蠣フライ定食のプレートには、筑豊ボタ山の石炭ほどに牡蠣フライが盛られていました

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続 世の中はハミ出すほど広い

 『ヨーロッパ軒』丸岡分店(福井県坂井市丸岡町)でカツ丼をいただいた話の続編です。カツ丼に集中した結果、一緒に出てきた大ぶりのたくあんまでとても箸が伸びませんでした。食後呆然としていると、湯呑みとたくあんの皿だけテーブルに残し器は下げられ、その店員さんが再び来て今度はお茶の入ったヤカンをテーブルに。
 するとどうしたことでしょう。たくあんがまるでデザートのよう。それを見込んでのことか、一口かじればふくよかな甘みが広がります。たくあんのファンクションは、カツ丼後のデザートとしてもアリだと、『ヨーロッパ軒』で知りました。世の中は広いものですね

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世の中はハミ出すほど広い

 旅先では世の中の広さに、たびたび驚かされます。この丼が運ばれてきたときもそうでした。福井市に本店を置く『ヨーロッパ軒』の丸岡分店でいただきました。カツ丼、と注文したら、ごく当然のようにやって来ました。
 ご飯の上に載っている3枚は、ソースのついたカツです。カツというよりウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel:ウィーンの名物料理たる仔牛のカツレツ)、もしくは骨のないコトレッタ アラ ミラネーゼ(Cotoletta alla Milanese:ミラノ風カツレツ)風でもありますが、最も近いのは(豚肉でもあるし)ドイツのシュバイネシュニッツェル(Schweineschnitzel)かも。そう思っていたら、初代ヨーロッパ軒主人はドイツで修業したとのこと。『ヨーロッパ軒』の店名も、それに由来するのだそうです。でも、福井でご飯の上に載ったちょっと和風なしつらえのシュバイネシュニッツェルを丼でいただく、というのはすごく感慨深い。世の中の広さが、丼の中にぎゅっと閉じ込められている気がします。ハミ出してるけど

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伊勢のりもの博物館にて

 クルマが作品になりつつある、というかもう作品ですね、これは。名車、軽三輪のマツダK360(T600?)が盆栽鉢と化しています。K360が生産終了となったのは、大阪万博が開催された昭和45(1970)年のこと。ですからもう50歳近いはず。その割には絶妙にボディが生きています。
 伊勢のりもの博物館(三重県伊勢市)の野外スペースにありました。そこは北井誠也館長のオート三輪愛にあふれたパラダイス。日本全国に80館ほどある自動車・二輪車博物館の中で、トップクラスの純度を誇る〝愛の巣〟でした。それにしてもこの写真、正方形でもあり、'60~'70年代のフォークアルバムの紙ジャケ写(もちろんLP盤)のよう。そういえば北井館長、気が向けばフォークを唄うと、言っていたなぁ

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