あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

世の中はハミ出すほど広い

 旅先では世の中の広さに、たびたび驚かされます。この丼が運ばれてきたときもそうでした。福井市に本店を置く『ヨーロッパ軒』の丸岡分店でいただきました。カツ丼、と注文したら、ごく当然のようにやって来ました。
 ご飯の上に載っている3枚は、ソースのついたカツです。カツというよりウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel:ウィーンの名物料理たる仔牛のカツレツ)、もしくは骨のないコトレッタ アラ ミラネーゼ(Cotoletta alla Milanese:ミラノ風カツレツ)風でもありますが、最も近いのは(豚肉でもあるし)ドイツのシュバイネシュニッツェル(Schweineschnitzel)かも。そう思っていたら、初代ヨーロッパ軒主人はドイツで修業したとのこと。『ヨーロッパ軒』の店名も、それに由来するのだそうです。でも、福井でご飯の上に載ったちょっと和風なしつらえのシュバイネシュニッツェルを丼でいただく、というのはすごく感慨深い。世の中の広さが、丼の中にぎゅっと閉じ込められている気がします。ハミ出してるけど

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伊勢のりもの博物館にて

 クルマが作品になりつつある、というかもう作品ですね、これは。名車、軽三輪のマツダK360(T600?)が盆栽鉢と化しています。K360が生産終了となったのは、大阪万博が開催された昭和45(1970)年のこと。ですからもう50歳近いはず。その割には絶妙にボディが生きています。
 伊勢のりもの博物館(三重県伊勢市)の野外スペースにありました。そこは北井誠也館長のオート三輪愛にあふれたパラダイス。日本全国に80館ほどある自動車・二輪車博物館の中で、トップクラスの純度を誇る〝愛の巣〟でした。それにしてもこの写真、正方形でもあり、'60~'70年代のフォークアルバムの紙ジャケ写(もちろんLP盤)のよう。そういえば北井館長、気が向けばフォークを唄うと、言っていたなぁ

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雨で墨絵のなかに入ってしまった

 五條(奈良県)から、新宮に向け十津川を傍らに行く国道168号線をオートバイで走っていたところ、谷瀬の吊り橋(奈良県吉野郡十津川村)を過ぎたあたりで雨は本降りに。レインウエアを着ていたのですが、風圧にちょっとバタつきだしたので、バイクを路肩に寄せマジックテープを締め直しました。もう一度レイングラブをはめ(雨中で湿ったレイングラブを、濡れた手に装着するのは、雨の日の苦行です)ふと視線を上げたら、景色から一切の色が消滅しています。
 あわてて時計を見れば、まだ午後3時前。墨絵のなかに入ってしまった。無事新宮に着けるのだろうか

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片町兄弟

 金沢(石川県)の街を歩いていると、片町から武蔵、金沢駅方面に人の流れがシフトしている感が。北陸新幹線効果でしょうか? 片町交差点から石田漆器店に向かう途中、地下への階段入口にこの電飾がありました。雪が降るときは降る金沢において、地下街がちょっとリッチだった頃がしのばれます。
 ブラザービルというネーミングからしてソウルフルですね。ディスコとかあるのかな、と降りてみたら(やや閑散と)昭和なスナック、居酒屋が並んでいました

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やがて哀しき天神屋

 静岡(市)生まれの自分は、新東名を下っていて新静岡以西に入ると、ついつい新静岡SAに立ち寄って、ついついフードコートの一番奥にある天神屋に向かい、ついついおでんを食べてしまいます。天神屋は24時間営業で、明け方などの閑散としたフードコートの一角に深く腰掛け、おでんをいただくその瞬間はブルースです。静岡生まれの哀しい性(さが)にむせばずにはいられません。
 先日新静岡SA天神屋に寄ったら、こんなおにぎりが並んでいました。食べたら以前からあった『たぬきむすび』とあまり変わらない気が……。たぬきはいつ悪魔になったのだろう?

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こまち贔屓

 たとえば東京から盛岡(岩手県)まで新幹線で行くとして、はやぶさとこまちが連結されていたら、どちらの車輌の席を選びますか? はやぶさの普通車は東海道新幹線と同じ3席+2席が横並びのレイアウト。それに対し、写真にあるようにこまちは横に2席+2席です。ミニ新幹線ゆえ車内幅もちょっと狭いのですが、自分はこまち贔屓。窓側席も心もちゆったりしていて、乗り心地も良好。何よりたいてい、はやぶさより空いています。
 こまちといえばこの夏、ツーリング中のこと。国道46号線を秋田方面に向かっていて、たまたま右手に刺巻駅(さしまきえき)を見かけ、小休止。ひなびた単線区間無人駅で、駅からはミズバショウが群生する湿原に至る歩道まで整備されていました。待合室に入れば「列車が来ます」との自動音声。どんな趣の車輌が来るんだろう、1両かな、2両かな、などと思っていたら7両編成のこまちがシャーン!と通過して行ったので、物凄く驚きました。ミニ新幹線とはいえ、東北新幹線区間では320km/hを出すこまちです。その長閑な風景と、朱色のロングノーズのギャップは凄まじく、呆然。たいへんいいものを拝見できたと、ややあってから嬉しくなりました

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「杭全」「放出」「生玉表門」読めますか?

 大阪市内には、ちょっとそうは読めない、という地名がトラップのように散りばめられています。気が抜けません。自分は学生の頃、配達のバイト中に「クマタを左や」と言われ杭全をクマタと読めず直進、その先の「百済(くだら)」でたぶんここだろう、と曲がって道に迷い、「なにをしとる?」と攻められたことがあります。
 放出(はなてん)、喜連瓜破(きれうりわり)、住道矢田(すんじやた)とか、まったく読めず、一度聞いても納得できないのですぐ忘れました。いまだに不意を突かれると、不安です。最近見つけたクセモノは「生玉表門」。なんか台湾風だな、と思い写真を撮りました。谷町九丁目と上本町の駅が最寄りです。「いくたまおもてもん」と読むそうです。いくたまさん、と呼ばれている生國魂(いくくにたま)神社の表参道、ということですね。余談ですが(まあこのブログはすべて余談ですが)いくたまさん境内には崖縁占(がけっぷちうらない)があります。それもまた実に大阪らしい響きです

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なつかしいくりはら田園鉄道

 宮城県登米市石越駅栗原市の細倉マインパーク前駅までの25.7kmを結んでいたくりはら田園鉄道線。細倉鉱山からの銀や鉛の運び出しや、炭鉱労働者の通勤の足として活躍しましたが、1986年の細倉鉱山閉山により経営が悪化。'95年には設備の老朽化を受け電化を廃し、気動車ディーゼルカー)運行に切り替え起死回生をはかりましたが経営は立て直せず、2007年に廃線となりました。かつて本社と車両基地があり、くりはら田園鉄道の拠点となっていた若柳駅は今も残っています。あたりは鉄道公園で、そこには『くりでんミュージアム』もあります。
 写真左の車輌は、電鉄時代に活躍したM153形。1955年から40年間働き、今は若柳駅ホームにつけてもらったひさしの下で静養中です。2枚窓のフロントフェイスと昭和的流線型を醸す塗り分けがいいですね。単眼のヘッドライトから、幕のようなカーブを描く紺のアクセントにより小顔効果もバツグン。乗ったことはないけど、なつかしい

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トワ・エ・モワは秋冬もの

 海の家撤収の逗子海岸に夕方行けば、〽いまはもう秋♪ です。トワ・エ・モワ ですね。歌詞は、〽誰もいないうみ♪ と続きますが、夕方の逗子海岸は適度に人が居て、立ったり座ったり犬を散歩させたりしながら、それぞれ夕日を観ています。
 ところでトワ・エ・モワとは仏語、Toi et Moiだったんですね。英語ならYou and Me、つまり〝あなたとわたし〟。トワ・エ・モワには1972年の札幌オリンピック のテーマ曲「虹と雪のバラード」というヒット曲(名曲ですね)もあります。例年、もうそろそろ半袖も終わりかもな、という頃にふと思い出します。自分的にはトワ・エ・モワは、秋冬ものです

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中尊寺のカエル

 平泉中尊寺岩手県西磐井郡平泉町)境内、本堂と大日堂にはさまれて峯薬師堂(みねやくしどう)があります。「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」「め」と、絵馬が訴えてくるので、すぐにわかります。薬師如来座像がまつられていて、目にご利益があるのだそうです。その絵馬のの並びは、ちょっとつげ義春の『ねじ式』っぽい。
 お堂の前には狛犬ではなくカエルが鎮座していて、やはり目がパッチリ。風雪に耐え時代を帯びていて、なんだか霊験あらたかなたたずまい。真一文字の口元も凜々しく、潤みがち、黒目がちな目に何事か訴えられました

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ビバ!メキシコ 2018

 アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón)が監督した映画『ローマ』(Roma) が第75回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を穫ったとのこと。『天国の口、終りの楽園。』(Y TU MAMA TAMBIEN:AND YOUR MOTHER TOO / 2001 メキシコ)、『ゼロ・グラビティ』(Gravity / 2013 米)でアルフォンソ監督贔屓となった自分としては『ローマ』、楽しみです。『天国の口、終りの楽園。』にも『ゼロ・グラビティ』にも海のシーンがあり、それがとてもいいハイライトでした。地球は水の星だと実感でき、うれしく感動しました。
 ところで。いま話題の『カメラをとめるな!』をハリウッドでリメイクするなら、自分的には、やっぱりアルフォンソ・キュアロン監督推しです。水まわりシーン抜きでもいいから、観てみたい。なんか壮大で凄い作品になりそうな気がします

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離陸と着陸

 離陸して着陸するまでの間は、ちょっと重力から解放されている気がします。機内食は濃いめの味付けがデフォルトだし、機内で日本公開前の映画を観ておおいに感動し、映画館で再度観たらなんとも退屈だった、こともあります。気圧が落ちているからばかりとは思えません。離陸は天に召される瞬間、着陸は生を授かる瞬間のようです。
 離陸時のしがらみから解き放たれる感も良いですが、やはり着陸時のワクワクが格別。たまに切羽詰まるとフライト中、機内で原稿を打つ(PCに)こともありますが、たいていヘンにHiな文章で、地上で大幅に打ち直すことになります

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美味しいときにやめときな。

 富士山のまわりを標高高めに走るのは、夏の日帰りツーリングの俺様的定番。昼食は富士宮の『むめさん』に寄りました。かつて、全部は食べきれないな、と躊躇していたら鉄板越し、焼きそばを焼いているおばさんがボソッと「美味しいときにやめときな」。言われた瞬間、ああ西部劇のバーみたいだ、とジーンとしました。以来(食事中に限らず)何かに躊躇するたび「美味しいときにやめときな。」を思い出すようになり、自分の金言として大切にしています。
 しかし夏の『むめさん』のカウンター席は暑い。鉄板からの熱風がもろに顔に当たること、しばしば。そうだったそうだった、夏の『むめさん』は暑いんだ、と注文してから思い出しました。ご馳走様でした

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Singapore Style Chicken Rice@Blue Moon

 今年は一度もブルームーン(Blue Moon:葉山 一色海岸の海の家)に行ってなかったので、お昼に行ってきました。シンガポール風チキンライス 1,000円です。海はちょっと波があって、海水浴が気持ちよさそう。
 一色海岸はいいですね。だらっと力が抜けます。いつもなにかしら風が吹いています

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バスをパリではブスと言います

 パリで歩き疲れたら、ついつい面白くてうろうろし続け気がついたらヘトヘトだったら、ダブルデッカーの2階席、斜め上から街を見渡せるBig Bus Parisがお薦めです。
 循環していて乗り降り自由。最初に見かけたときは、ちょっと馬鹿にして見過ごしていましたが、一度乗ったらとりこになりました。パリ凱旋を果たした気分にさせてくれます。ナイトツアーも良かった。いま時分は特にいいだろうなぁ

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