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あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

朝食における尊厳

尾道国際ホテルでいただいた朝食です。オレンジとたらこと海苔の佃煮とお新香が一枚の皿の四隅に盛られており、その向こうの揚げ物はイカメンチです。宿泊客の尊厳が守られている献立です。実際、美味しかったし。
 最近最もインパクトのあった朝食には、大阪南部のビジネスホテルで出会いました。その宿は朝食付きがデフォルト。午前7時オープンの食堂に行ったら、用意されていたのはデニッシュ系のパン4種、ヨーグルト、ご飯、カレーのみ。さらさらのカレーは、ベジタリアンでもOKな感じです。なるほど! ご飯を供する最高効率献立は具無しカレーか、と思い知りました

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海が見えた。海が見える

広島県尾道市の『ONOMICHI U2(オノミチ ユーツー)』の中にある、『HOTEL CYCLE(ホテル サイクル)』のエントランスに名和晃平作品が。タイトルは『Molecular Cycle(モルキュラーサイクル)』で、尾道の坂道を登り、瀬戸内海の波にも乗るサイクリストをイメージしているとか。名和晃平作品とホテルといえば『HOTEL ANTEROOM KYOTO(ホテル アンテルーム 京都)』が思い浮かびますが、尾道にもあったんですね。
 それにしても尾道はいい町です。なぜか尾道水道に強く心惹かれます。我が心の一週間ぐらい滞在したい町ランキングにおいて、ここ数年、第一位をキープし続けています

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ハートの魔法

竹田津港(大分県国東市)でスオーナダフェリーを降りたら、のどかな景色を切り裂きこんなバスが! 控えめにいっても物凄い違和感です。このラッピング、豊後高田市の海岸線を走る風光明媚な国道213号沿いにロマンティックなスポットがたくさんある(地元調べ)ことから、そのルートを“恋がかなう道”「恋叶(こいかな)ロード」としたことに由来するもの。大交北部バス株式会社が運行している路線バスに、「ハートの魔法」をテーマに施されたものだそうです。
 ひとり「オースティンパワーズか!」とツッコんでみました。ポップです。シュールですらあります。地元の足であるバスに、否応なく施した点も実にナイスです

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渡辺!

週末の博多の宿がなかなかとれず、初めてのホテルに。クルマをタワーパーキングに入れ、裏口からチェックイン。さて晩ご飯、と表通りに出たらいきなり彼女と目が合いました。圧を感じつつよく見れば、それは『渡辺通一丁目』バス停のビルボード
 渡辺つながりかなるほど! と、なんとなく腑に落ちました

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ツバメ

中国自動車道 本郷パーキングエリア(広島県安芸高田市美土里町)のトイレ扉にこんなメッセージが。トイレで糞をしたいツバメ vs.ツバメにトイレを使わせたくない管理者、ということでしょうか? まあ、鳥インフル問題もあるし、ちょっと糞はねえ、というのは理解できますが、それにしてもなんかおかしい。
 広島以南では、もうツバメが飛び始めています

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すのこ!

福山市広島県)のファミマでトイレに入ったら、壁に小さなすのこが。親切だなあ。幸か不幸か自分はストッキング未着用なので、トイレでストッキングを履き替えるということが、よくあるのことなのかわかりません。しかしそのファミマ、割と郊外にあり、周囲ではストッキングの足を露出されている方を、全く見かけませんでした。
 すごく親切なのはわかるけど、善意をかんじるけど、謎です!

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ツインアーチ138

愛知県一宮市木曽川沿いには国営木曽三川公園があって、そこは桜の名所です。それは見事な桜並木で来週の日曜日、4月9日までさくら祭りを開催中。全国に17しかない、国営公園国土交通大臣が設置し国が維持管理を行う都市公園)のひとつだそうで、公園内にはツインアーチ138と名付けられた、高さ138メートルの展望タワーがあります。これがもう、ものすごい違和感。ロサンゼルス国際空港の、レストラン エンカウンター(Encounter Restaurant)が入るツインアーチタワーを思い出しました。でもエンカウンターは、空港の近未来的ファンクションの象徴として、景観的機能を果たしている気がしますが、ここは思い切りのどかなの田園に何の脈略もなく未来!です。
 初めて視界に入った時は目が驚きましたが、なぜか満開の桜越しに眺めると、絵になるから不思議です。桜、ビジュアル的には結構なやり手だと気づかされました

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カウンタックはクセがすごいんじゃ!

ランボルギーニ カウンタック(Lamborghini Countach)です。やっぱりいいなあ。カーデザインに予言があるとしたら、まさにこれです。予言者の名はマルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini)。ドイツ、ヴォルフスブルクWolfsburg)にある、フォルクスワーゲンVolkswagen / VW)設立の自動車博物館と遊園地、アウトシュタット(Autostadt)に展示されていました。
 カウンタックは1999年にアウディAudi)傘下となり、VWグループの一員に。それゆえの展示でしたが、居並ぶドイツ風の端正なモデルの中で、一際のオーラを放っていました。千鳥風にいえば「クセがすごいんじゃ!」。傍らの美女もちょっと'70Sルックで、いいかんじっス!

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敬意をこめてタコ

江ノ島(神奈川県藤沢市)を名乗る駅がいくつあるかご存知ですか? 江ノ電江ノ島駅小田急片瀬江ノ島駅、そして湘南モノレール湘南江の島駅と、三つあります。それぞれが適度に離れていて、こざかしい相互乗り入れなどとは一切無縁。まあ、キャラが違いすぎるので、将来的にも直通運転とか無理そうですね。
 写真はそのなかでも(たぶん、最も)マイナーな、湘南江の島駅、階段に壁面にあった絵です。湘南学園中学・高等学校 美術部による作品で、タイトルは〝OCTOPUS ~先輩へのHOMAGE~〟とのこと。いやあ、なんだかこみいってるなぁ!

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春はドラえもん

海岸でアンパンマンドラえもんに会うようになると、春が来た気がします。冬の風吹く砂浜に描かれるのは、せいぜい相合い傘(いまでもビーチでは結構ポピュラーです)ぐらい。風おさまり日差し暖かく水温む頃になると、描く余裕が生まれるのか、いろんなキャラに遭遇します。ちょっと前まではピカチューが全盛でしたが、逗子海岸や鎌倉の材木座海岸における現在の人気ツートップは、断然アンパンマンドラえもん。これはもう不動の人気ですね。ただアンパンマンは、ドキンちゃんカレーパンマンしょくぱんまんなど仲間達もよく描かれていますが、ドラえもんの場合は、ほぼのび太ジャイアンが(もちろん神成さんやジャイ子も)描かれていることはありません。
 写真は昨日、材木座海岸で会ったドラえもん。思いついた瞬間、枝先をザザッとふるた感じが、味わい深い。利休的無作為の作為というか、無作為の美を宿しています。髭脇から口へと流れる筆遣いには、無作為の景色があるなあ。いい仕事されましたね

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「由比ヶ浜」ではなく「由比ヶはま」

江ノ電でいえば長谷駅極楽寺駅の間、地名でいえば鎌倉市坂ノ下の星の井通りに『力餅屋』はあります。鎌倉権五郎(かまくらごんごろう)をまつった御霊神社(ごりょうじんじゃ)門前の老舗で、権五郎力餅が名物。伊勢の赤福餅にも似た、素朴な美味で人気です。包装紙を解くと「登録商標 鎌倉名物 権五郎力餅 由緒」があり、それをひっくり返すとこんな絵地図が。
 力餅をいただきながら(餅は春のよもぎ餅になっていました)絵地図の子細を眺めれば、過去へタイムトリップしている気に。至福のひとときですね。「由比ヶ浜」ではなく「由比ヶはま」というのが、いいなあf:id:takimasashi:20170316121447j:plain

 

なごり雪

青森に着いてホテルにチェックインし、夕飯を食べに出たときは晴れていました。夕焼けがきれいでした。食事を終えホテルに戻ろうと店を出たら雪です。ホテルに戻るタクシーのドライバーに「だいたいここらは、GW前まではスタッドレス(タイヤ)ですね」と教えられました。
 突然の雪よりも、その雪に誰も驚いていないことが旅情です。1955年に公開されたキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)主演の映画『旅情』の原題はサマータイム(Summertime)ですが、旅情は夏だけのものではありませんね。移動によって季節が進んだり戻ったり。そのズレの断面に、日本の旅情が宿る気がします

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安楽椅子

群馬県谷川温泉の旅館にあった籐椅子です。浴衣で座れば窓の向こうに谷川岳が。湯上がりにこれほどふさわしい椅子、ちょっと見当たりません。以前の畳や板の間で構成された家には大抵籐椅子があり、お年寄りが腰掛けていると実に絵になりました、冬には座布団や毛布、膝掛け等を合わせ、ソファー風になったり。そういえば安楽椅子、という言葉もあったなあ。

 3年前に富士スピードウェイで開催されたVWフェスト2014で、初めてワイヤーフレームボディーのVWビートルを見たのですが、あれは籐椅子ならぬ〝籐車〟のようでした。白いスチール製ワイヤーフレームで唐草模様に編み込まれたそれは、まるでVWビートルの骨格標本のよう。メキシコオリンピック(1968年)セレモニーのためにVWメキシコが、タイプ1ビートルをベースにつくったモデルのレプリカ、とのことでした。次回のオリンピックセレモニーでは是非、籐で編まれたプリウスを見たいものです。それにしても、こういう椅子に強く心惹かれるとは、そういうお年頃になったということなのだろうなあ

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旅のトランジスタラジオ

ツーリング中、テント泊となった夜のみAMラジオを聴きます。テントを設営する場所はAM波しか入らない山間が多いから、自然そうなります。化繊特有のケミカルな香り漂うテントの中でひとり、遠いどこかで開催されているナイターを聴いたり、全く知らない中古車センターのCMを聴いたり。いつの間にか寝入り、雨がフライシートを打つくぐもった音で目覚めた深夜、ひどく懐かしい気に。かけっぱなしのラジオからやけにクッキリとした音で「逢いたくて逢いたくて」(園まり)が流れていたからでした。
 写真はその翌朝、撮ったもの。ああ、またツーリングに出かけたくなってきました

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移動こそ善である

1950年代に登場したシボレー コルベット(Chevrolet Corvette)のコックピットです。オープンエアモータリングを満喫できるアメリカンプレステージスポーツカーとして誕生。ボートのようでもあり、宇宙船のようでもあり、デザインに華というより夢がありますね。アメリカは生善説ならぬ、移動善説の国であり、アメリカ車の魅力もそこに由来しているようです。移動は善なり、とアメリカ車はささやき、誘います。日本はどちらかというと農耕系移動悪説がマジョリティですね。いつしかアメリカ車は、尊大で過剰なものとされてしまったのも、実は移動善説がうとましいから、かもしれません。1982年に公開された映画「蒲田行進曲」の中に、売出し中の映画俳優、倉岡銀四郎の愛車として'70年代中期のモデルとおぼしきキャデラック フリードウッド ブロアム エレガンス(CADILLAC FLEETWOOD BROUGHAM ELEGANCE)が登場します。ボディ全体に王将駒が散りばめられたそれを運転する銀四郎、銀ちゃんの運転は滅茶苦茶で、「バッキャロ、キャデラックに免許がいるかよ!」との名台詞も。
 日本におけるアメリカ車のイメージは、この頃とあまり大差ないかもしれません。本当はかなりアップ トゥ デイトされているのですが、根底にある移動善説が受け入れ難いため、難癖をつけられているようにも思えます。移動善説支持者たる自分にとってアメリカ車は、今も夢のクルマです

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