あ ば ろ ん

瀧昌史どんぶらこっこすっこっこ旅日記

猫の背洞穴と、毘沙門居残り佐平次と

 バイクに乗ろうかなと、よく向かう先に城ヶ島(神奈川県三浦市)があります。城ヶ島ではたいていユルく島一周を歩きます。写真は島中央部南端の海蝕洞穴、馬の背洞門、の横の小さな洞穴です。馬の背洞門は琵琶湖を左右反転したようなフォルムですが、こちらは山中湖を上下反させたよう。馬の背のちょっとグランドキャニオンな異景感に最初は目を奪われましたが、最近はこちらの洞穴が気になります。穴からのぞく水平線は、なぜ眩しいのでしょう。自分がネーミングライツ権を得たら「猫の背洞穴」にしようと思います。
 城ヶ島に向かう際はたいてい、三浦海岸から神奈川県道215号線を南下します。交通量も少なく適度なアップダウンもあり気に入っているのですが、ときどき江奈湾干潟を過ぎ毘沙門トンネルを出た先でスピード違反の取締りをしているから要注意。トンネルを出たところでスピードを計測し、違反車を毘沙門湾の側道に誘導するのですが、昨日はダンプがその間でハザードを出して停まっていました。たぶんスピード計測に気づき、誘導場所に行くのを拒んでいるのでしょう。居残り佐平次のようでした

f:id:takimasashi:20190511101112j:plain

 

リアルト橋の先、アドリア海の真珠魚市場にて

 時差ボケを抱えながら早朝、ヴェネツィア(Venezia, Italy)のホテルを出てリアルト橋(Ponte di Rialto)を渡ったら 魚市場がありました。並んでいる魚の様子が、だいぶ違います。じゃあ、アドリア海の真珠(ヴェネツィアの別名ですね)っぽいか? というと、そんな感じでもなく適度にグロく、やはりヌラヌラしています。捌き方の違いも大きいようです。随所に配された葉物野菜が「魚屋じゃないよ、海産系料理素材屋だよ」感をかもしています。
 魚の種類や捌き方、並べ方こそ違いますが、市場の雰囲気は八戸市営魚菜小売市場や三浦市三崎水産物地方卸売市場魚市場のそれと、それほど変わりません。スカンピ(scampi)とか美味しそうだけど、持って帰れないしな、と思っていたら外れのほうに生ハム店が。滞在中に食べる分を数種類買ったら、二枚のトレッシングペーパーの間に薄く削いだそれを挟み、紙でくるくる巻いた筒状のもの何本かになりました。一見クレープのようで、そのままがぶっと食べたくなる感じです。手にした瞬間、時差ボケのなか大波のように猛烈な空腹感が押し寄せてきました

f:id:takimasashi:20190505093349j:plain

 

静岡駅前葵タワーにて

 静岡駅前に葵タワーが出来たのが9年前。地下1階から2階に戸田書店が入っていて、2階にはスツールも置かれています。写真は3階にある静岡市美術館のエントランスにあるカフェスペース。駅前交差点を眺めながら、ひと休みできます。静岡で時間ができると、戸田書店の2階か、このカフェで過ごします。
 ちなみに自分的静岡市美術館企画展ベスト3は、「ハンス・コパー展 —20世紀陶芸の革新」(2011年4~6月)、「没後20年 ルーシー・リー展」(2016年4~5月)、そして「没後150年 歌川国芳展」(2011年7~8月)ですね。2016年秋の「スタジオジブリ・レイアウト展」もここで観ました、よかったなぁ

f:id:takimasashi:20190503175000j:plain

 

盛岡城丸の内で「鳩オミクジー」

 盛岡城跡丸の内にある櫻山神社で、鳩サブレー缶に会いました。なぜ「オミクジー」なのでしょう。「サブレー」の音引きにひっぱられた感じ? 缶は2015年まであった20枚入缶(税抜 2100円)か、28枚入缶(同 3000円)と思われます。豊島屋のロゴは覆われていません。日々豊島屋逗子店前を行き来しており、手土産に鳩サブレーを携えることも多いので、不意の再会にドキッとしました。
 鳩サブローもたぶん、驚くと思います

f:id:takimasashi:20190428123916j:plain

 

昇仙峡、55歳のモーター君

 昇仙峡(山梨県甲府市)を渓流沿いに上がり、仙娥滝(せんがたき)を過ぎてしばらく行くと、昇仙峡ロープウェイがあり仙娥滝駅から山頂パノラマ台駅間、1,015mを結んでいます。そのパノラマ台に上がったところに、モーター君がいました。
 1964年(昭和39年)の開通以来、24年にわたってゴンドラを動かし続けた直流モーターだそうです。ご苦労様です。なぜ君づけなのかは、一切解説ナシでした。 モーターは男の子キャラ? それともちょっとタメっぽい感じ? 野ざらしだったし。……あらゆるものをキャラ化する観光地ルールに退役後も晒されています。実直そうなフォルムに親しみが湧きましたが、君づけはちょっとなぁ、初対面だし

f:id:takimasashi:20190422133830j:plain

 

今年も沖縄!

 京急本線を弘明寺(ぐみょうじ 横浜市南区)で降り、大岡川の流れに沿って歩きながら花見をしていて、このぼんぼりそ見つけました。たしか鶴巻橋の手前、左岸だったと思います。最初はそういう店があるのかと思いましたが、まわりのぼんぼりにはファミリーメッセージ的な書き込みが多くあり、同伴者と協議の結果、これはある種の宣言だろう、七夕の短冊的な? という結論に至りました。
 今年の夏も、の「も」がいいなあ。ぜひそうしてください

f:id:takimasashi:20190413101722j:plain

 

さよならエンダー古波蔵店

 ファストフードレストラン、A&W(エイ アンド ダブリュ)のルートビア(Rootbeer)は、自分にとって沖縄風味のひとつです。7種類の木の根から抽出されたエッセンスだから〝ルート〟、米禁酒法時代の代替飲料だった名残りで〝ビール〟。名前はビールですがノンアルコール。クセの強いドクターペッパーですね。なぜ店の名がA&Wかといえば、創業者のロイ・アレン(Roy Allen)と、1919年に彼と提携したフランク・ライト(Frank Wright)の2人のファミリーネーム由来とのこと。沖縄での通称は「エンダー」。「エィ ァンド ダーボゥ」の略ですね。氷入りの水を「アイ ワラー」というのに似ています。
 写真は、昨日(2019年3月31日)惜しまれつつ、地主との契約切れで閉店となった那覇古波蔵店、店内にて。日本規格のハンバーガーショップとは違う雰囲気で、パーキングも斜め駐車、いいお店でした。別れを惜しみA&WのHPをみたら〝A&Wの歴史〟があり、Archives Vol.1をクリックすると、A&W沖縄第1号店(現在の屋宜原店)のモノクロ写真が掲載されていました。キャデラックと向かい合い左ハンドルのHONDA S600が駐まっていて、S600の脇では制服姿の3人の女性店員が微笑んでいます。いい写真です

f:id:takimasashi:20190401094532j:plain

 

たそがれマイ波布

 陽気な盛りの良さも沖縄の食の長所で、那覇市通堂町、那覇ふ頭船客待合所横の波布食堂などその最たる名店です。写真は肉ソバで、これがデフォルトです。よく見てください。テーブル奥の方にも肉ソバがありますね。双子山のようです。こんな名店が本日、3月28日に閉店となることを今朝のWeb版琉球新報で知り、驚きました。残念です。軽飛行機の格納庫のようなあの店の灯が消えるのは、とても寂しい。
 ところで波布は「はぶ」と読みます。琉球新報の記事の見出しは『グッバイ マイ波布 那覇の名物食堂きょう閉店 開店3時間前から並ぶ人も』、Web沖縄情報ポータルサイト DEEokinawa(でぃーおきなわ)記事の見出しは『【本日閉店】波布・イズ・オーヴァー』でした。……自分的には、突然の別れとなったメランコリックをこめ『たそがれマイ波布』で、ととのいました!

f:id:takimasashi:20190328181731j:plain

 

昼は高良食堂で宇宙を食べよう

 700円のAランチがテーブルに運ばれてきた瞬間「これは……!」と、息を忘れました。那覇市若狭の高良食堂の昼、店のまわりには那覇独特のカラフルな中間色のタクシーが何台も駐まっていて、それだけで名店の気配濃厚です。Aランチは宇宙的ボリュームで、銀河を思わせる楕円の中には12時ポジションから時計回りでスペアリブ、目玉焼き、トンカツ、レタス&キャベツ、海老フライ、そしてライス! その右側、月のような小皿にあるのはメバチマグロでしょうか、お刺身です。その下の巨星は、容赦なくフルサイズの沖縄そばでした。息をしつつただけば、たいへん美味しゅうございました。
 一緒に行った相方は650円のタコス定食をオーダー。おおぶりのタコス(2コだったか、3コだったか……)ともちろんフルサイズの沖縄そば、そしてやっぱり刺身の小皿つき。ああ高良食堂、おススメです

f:id:takimasashi:20190327113556j:plain

 

亀かめそばの島マジック

 那覇市若狭の亀かめそばでいただいたふーちばーそばです。ふーちばーとはヨモギのこと。ひな祭りのひし餅、最下層、緑のそれを口にして以来、ちょっと……とヨモギからは距離を置いていた自分ですが、ふと思いオーダー。良かったらどうぞ、と無料オプションのふーちばーザルまで受け取っていました。
 スープに浸し、しなっとさせれば、悪くありません。亀かめそばは店内がユニークで、小上がりというより大上がりとでも言うべきスペースがあり、しかも靴を脱がずに上がれます。食べながら、たぶん泡盛同様の島マジックが作用しているな、帰って泡盛を飲むとキツいように、帰ってヨモギをたべてもふーちばーの美味はないんだろうな、と思いました。亀かめそばは名店です

f:id:takimasashi:20190322085900j:plain

 

栄町市場のマリーンさん

 いまの沖縄本島における自分的パラダイスは、那覇市安里の栄町市場です。千円で三杯とつまみ一品を座って楽しめる店では、ガールズバーのように正面に手の空いた美人が座ってくれしばし歓談。名前をきけば「マリーンです」とのこと。すっかり気に入りました。六杯とつまみ二品をいただき二千円を支払い辞する際、美女は「……オオシロです。またね」とセカンドネーム(?)まで教えてくれました。

 写真はその店の向かいにあった沖縄そば専門店『ちゃるそば』の窓に貼られたメニュー。営業日は月火火水木金、のようです。また行くからね、栄町市場!

f:id:takimasashi:20190317104606j:plain

 

ページで『東京流れ者』

 アンテロープキャニオン(Antelope Canyon)取材のため米アリゾナ州ページ(Page, Arizona)へ。アンテロープキャニオンは日テレ 「世界の果てまでイッテQ!」でイモトが紹介して以来、日本人人気が高まった美しく神秘的な渓谷です。ページの宿はクオリティ イン アット レイクパウエル(Quality Inn at Lake Powell)でした。観光地によくある部屋ゆったりめのモーテル、写真はそのベッドです。
 時差ボケなのでしょう、午前2時頃突然目が覚め眠れません。テレビをつけたらアートフィルム専門チャンネルが見つかり、しばらくぼーっとみていたら、Tokyo Drifterのタイトルとともに渡哲也があらわれました。鈴木清順 監督、川内康範 脚本・原作の1966年 日活アクション『東京流れ者』ですね。独特の色彩と構図で、確かにアートフィルムです。以前観たときはちょっと気恥ずかしかった“流れ者に女は要らねぇ、女がいちゃあ歩けねぇ”のセルフも、ページのモーテルではしっくりきました。結局最後までみてしまいました。見終えても、まだ夜でした

f:id:takimasashi:20190315112425j:plain

 

夜間飛行

 もう少しで午後11時になる頃、飛行機は羽田空港へ下降。窓からは東京湾に停泊する船舶の灯が夜光虫のように見えます。夜間飛行といえばサン=テグジュペリ(Antoine Marie Jean-Baptiste Roger de Saint-Exupéry)の小説のタイトルですが、自分的には、ちあきなおみが1973年リリースした夜間飛行の方がしっくりきます。闇に向かって飛び立つ男気よりも、眼下の街の灯に逡巡する女心、でしょうか。たしかちあきなおみ版夜間飛行では曲間にオルリー空港に向かっていることを告げる仏語の機内アナウンスも流れていました。傷心の女がひとりパリに向かっている感があり、旅情でしたね。曲間にアナウンスが入るのは当時の歌謡曲の流行りで、青江三奈の国際線待合室(名曲ですね)でも、アテンションプリーズ~、と入るのがカッコ良かった。FM番組、JET STREAM城達也も、夜間飛行のお供をするパイロットという設定だったなぁ。
 高度と反比例して、地上でのあれやこれのリアルが増していきます。無事着陸しゲートに向かう頃には、そういえば川崎日航ホテルのバーラウンジも夜間飛行だったな、多岐川裕美の写真集も……、とほぼ煩悩100パーです

f:id:takimasashi:20190313085926j:plain

 

オスカーとキャデラック

 映画『グリーン ブック』が第91回アカデミー賞作品賞に。慶事ですね。自分的にはアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA ローマ』もオシだったのですが〝OSCARS 2019: GREEN BOOK WINS BEST PICTURE〟の速報もうれしかった。それにしても『ROMA ローマ』をもうNetflix (ネットフリックス) で観られるとは。驚きつつ、これも慶事です。舞台は政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコ。とあるシーンでちゃんと道端に510ブルーバード ワゴンが駐められていました。日産(DATSUN)は1966年からメキシコのクエルナバカ工場でブルーバードの生産を始めており、510ブルも作っていて大衆車として人気に。名画『ガルシアの首 Bring Me the Head of Alfredo Garcia 米 1974)でウォーレン・オーツが終盤、メキシコで借りたレンタカーも510 ブルーバードでした。
 さて話を『グリーン ブック』に戻せば、同時にオスカーを獲ったマハーシャラ・アリ(Mahershala Ali)同様の名演だったのが1962 キャデラック ドゥヴィル(Cadillac Sedan DeVille)。これに近い年式のキャデラックをどこかでみたなあ、と改めて手元の写真を調べたら石川県小松市の日本自動車博物館でした。写真は同館2Fの〝威容を誇る車たちの広場〟に展示されている1960 キャデラック フリートウッド リムジン(Cadillac Fleetwood Limousine)です。テールフィンから凄いオーラを放っていました

f:id:takimasashi:20190228085428j:plain

 

1962年のキャデラック

 映画『グリーン ブック』はアメリカの公民権法(Civil Rights Act)成立前のディープ サウスを舞台としたロードムービー。主役のマハーシャラ・アリ(Mahershala Ali)、ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen:彼が『はじまりへの旅 Captain Fantasti 米 2016』で父親、ベンを演じたとはにわかに信じられませんでした。素晴らしい怪優ですね)もいいのですが、なんといっても自分的主役はふたりが乗るエクステリアもインテリアもターコイズの、1962 キャデラック ドゥヴィル(Cadillac Sedan DeVille)。
 実際、車内のシーンも多く、ドゥヴィルは実に様々な表情を見せます。そこにはミニバンでもSUVでもなく、1962年のキャデラック セダンでしか成立しない旅が描かれていました。自分もキャデラック CT6とかで、夏のディープ サウスを旅してみたいと強く思いました

f:id:takimasashi:20190220083221j:plain